かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン ピアノ・ソナタ全集6

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ハイドンのピアノ・ソナタ全集のアルバムを取り上げていますが、その第6集を取り上げます。

第6集は第17番と、第48番から第52番までが収録されているのですが、その中でも特殊なのが、第17番なのです。

第17番は、ハイドンの作が疑問視されている作品で、ピティナでも「ハイドン生前の出版はなく、作曲者自身によって自作であると認められている作品でもない。」との記載があります。

enc.piano.or.jp

ja.wikipedia.org

しかも、ウィキの一覧では、1755年ごろとされており、時代も少し異なる作品です。それでも入っているのは、この全集がランドン版に基づいているからでしょう。ランドンがなぜこの第17番を入れたのかまでは記述がないのでわかりませんが、このアルバムが録音された時代の考証に基づいて収録したのだと思います。

とはいえ、聴いてみれば一目瞭然なのですが、雰囲気が第48番~第52番とは違うんです。その理由が成立時期なのか、それとも偽作だからなのかまでは私にはわかりません。少なくとも、第48番などが成立した1780年代前後ということはないんじゃないかとは、言えるのかなと思います。そのうえで、真偽が問われるのではと思います。

それでも、弾いているオルベルツはどの作品もいつくしんで、アコーギクも加えて、表情をつけています。ハイドンって本当にクラヴィーア嫌いだったのか?と私も思うんですが、少なくともソナタに関してはハイドンが苦手にしていたというようには感じませんし、おそらく弾いているオルベルツも同様なのではないのかなあと思います。

作曲家が言う「苦手」というのは、私たち凡人のレベルとはちと違いますしね。苦手と言っても、普通の奏者よりは上手に弾けたのもかしれないのですから。そのあたりはファクトがないので何とも言えないところです。少なくとも印象として、苦手にしていたようには思えないんです。むしろピアノ「協奏曲」を苦手にしていたのではないかという推測を私などは立てていますが・・・・・

モーツァルトベートーヴェンに比べると低く見られがちなハイドンですが、とはいえ、彼らの先達でもあったわけで、優れた作品も多いわけです。偏見なくハイドンの作品を楽しみたいものです。

 


聴いている音源
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲
ピアノ・ソナタ第17番変ホ長調Hob.XVI-Es2
ピアノ・ソナタ第48番ハ長調Hob.XVI-35 作品30-1(ソナチネアルバム第13番)
ピアノ・ソナタ第49番嬰ハ短調Hob.XVI-36 作品30-2
ピアノ・ソナタ第50番ニ長調Hob.XVI-37 作品30-3
ピアノ・ソナタ第51番変ホ長調Hob.XVI-38 作品30-4
ピアノ・ソナタ第52番ト長調Hob.XVI-39 作品30-5
ヴァルター・オルベルツ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。