かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン ピアノ・ソナタ全集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ハイドンのピアノ・ソナタ全集を全9回シリーズで取り上げていますが、今回はその第2回目。第2集を取り上げます。

演奏するはヴァルター・オルベルツ。ハイドンのピアノ・ソナタ全曲演奏の録音を成し遂げた最初の一人です。そのアルバムはホーボーケン番号順。ランドン版で成立順にしたのをわざわざホーボーケン番号順に並び替えるということをやっています。

つまりは、番号はランドン版の成立順のものなのですが、実際に演奏している順番はホーボーケン番号順なのです。これは一見するとけったいなことです。けれども、実は現在はこのホーボーケン番号順の方がポピュラーになっています。

なぜこのようになっているのか・・・・・・一応ウィキ等ではその理由が見受けられませんでした。ただ、第1集に収録された作品と比べてみますと、楽章数が安定していることが第2集に収録された作品の特徴ではないかと思います。第1集では2楽章や4楽章もあったのですが、この第2集に収録されている作品はすべて3楽章制です。

まあ、ピアノ・ソナタの楽章数なんて決まっているわけではありませんが、大体4楽章制が多いのですよね。けれどもハイドンは意外と自在に扱っています。これは多分、ベートーヴェンも受け継いだものだったのではないかなあと思います。

そのうえで、時代的に全体的に短い作品が多いのも特徴です。また比較的弾きやすい曲が多いことも。それがハイドンピアノ曲を貶めてきた一つの要因でしょう。ただ、弾きやすいってことは多くの人に知られやすいってことでもあるので・・・・・

とはいえ、ハイドン自身はピアノなどがそれほど得意ではなかったと言われています。そのため、協奏曲なども極めて少ないんですね。そんな中ソナタだけは比較的大量に残されたわけです。そんな背景がますますハイドンのピアノ・ソナタを貶めてきたのだと思いますが・・・・・

オルベルツはそんな作品たちにも愛を注ぎ、それゆえ生命が宿っている演奏になっており、作品が持つ可憐さだったり、愛らしさだったりが存分に表現されています。このハイドンの作品がモーツァルトによりさらに洗練され、ベートーヴェンにより芸術の高みへと至るわけで、その最初の一歩であったと考えれば、ハイドンの功績は大きなものがあるわけです。そんなハイドンの功績を演奏でのみ語る・・・・・このアルバム、大したもんです、ほんとに。

録音も、演奏時代に特有の「色付け」もなくクリア。ソニーのSRS-HG10で聴きますとほんとにハイレゾとそん色ない音が出ているんです。こいつはすごい!お隣さんが弾いているみたい。だからこそ、演奏者の魂が明確になっているような気がします。

 


聴いている音源
フランツ・ヨーゼフ・ハイドン作曲
ピアノ・ソナタ第2番ハ長調Hob.XVI-7
ピアノ・ソナタ第1番ト長調Hob.XVI-8
ピアノ・ソナタ第3番ヘ長調Hob.XVI-9
ピアノ・ソナタ第6番ハ長調Hob.XVI-10
ピアノ・ソナタ第5番ト長調Hob.XVI-11
ピアノ・ソナタ第12番イ長調Hob.XVI-12
ピアノ・ソナタ第15番ホ長調Hob.XVI-13
ピアノ・ソナタ第16番ニ長調Hob.XVI-14
ヴァルター・オルベルツ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。