かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:エリオット・カーター 作品集

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介します。今回はエリオット・カーターの作品を収録したアルバムをご紹介します。東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介します。今回はエリオット・カーターの作品を収録したアルバムをご紹介します。
エリオット・カーターって誰?って人も多いかと思います。もちろん、私もその一人。だから借りたんですもん。それにしても、こういった作曲家の作品を置いてあるのはさすが県立図書館並みのライブラリを誇る府中市立図書館だと思います。
さて、そのカーターって人、アメリカ現代音楽の作曲家です。この人に関しては20世紀音楽とはいいがたく現代音楽と私も表記します。完全無調の作品を数多く生み出した人です。

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では、その音楽はカーターだけに、肩が凝るのか、と思いきや、演奏を聴く限りにおいてはそうでもないんです、これが。
特にその傾向がよくわかるのが第1曲のオーボエ協奏曲で、かなりビブラートがきいている演奏。いやあ、現代音楽でこんなのは初めて聴いたかも。ソリストはホリガーと名ソリストですが、それがもう平気でビブラートかけちゃってます。でもそれが何故か人間臭く聴こえるから不思議です。
一変静かな「ルーデのエスプリ」や、人間の内面をまるでまさに鏡のように映しだしている「考える鏡」も魅力的。最後に収録されている「アンサンブルのためのペンソーデ」も、現代音楽している割には、温かみがあるって思います。
それは、演奏者たちにもよるかもしれません。指揮は現代音楽を得意とするブーレーズ。演奏するはホリガーをはじめとする当代きってのソリストたち。そしてそんなソリストにも比肩するアンサンブル集団「アンサンブル・インターコンテンポレイン」。これらが混然一体となり、私たちが現代音楽に持っているイメージを、ものの見事に破壊する温かみがある演奏が実現されています。
その温かみがもたらすもの、それは、現代音楽とはまさに人間を表現しているってことを知ること、です。カーターは現代音楽でも少し毛色が違う作曲家だったとは言われていますが、その作品自体が持っている特色だけでなく、演奏者が音楽に魂を感じていることが伝わってくるのです。これが楽しい!現代音楽を聴いていて、楽しいって思うことってあったかな~って思いますが、これがクラシック音楽を聴く醍醐味の一つだと思います。
これぞ、図書館がその役割を果たしているライブラリのように思います。府中の司書さんのセンスの良さが光る一枚です。

 

聴いている音源エリオット・カーター作曲オーボエ協奏曲(1986~87)ルーデのエスプリ考える鏡~ソプラノとオーケストラのための(1975)アンサンブルのためのペンソーデ(1984~85)ハインツ・ホリガーオーボエ)ソフィア・ケリエール(フルート)アンドレ・トローテット(クラリネット)フィリス・ブライアン・ジュルソン(ソプラノ)ピエール・ブーレーズ指揮アンサンブル・インターコンテンポレイン
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