かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヒナステラ ピアノ曲全集

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、今回はヒナステラピアノ曲全集を取り上げます。

このブログでも何度か取り上げているヒナステラ。アルゼンチンの巨匠であり、それはピアソラにも影響を与えるほどです。

ja.wikipedia.org

正確にはジナステラと読むそうです。もしかすると今後このブログではそうするかもしれません。いずれにしても、アルゼンチンの音楽に深い影響力を持った作曲家だったことは確かです。

そんなヒナステラの作品の中で、意外に顧みられていないのがピアノ曲なのではないでしょうか。ピアノ曲と言えば、バッハ、ベートーヴェンショパン、リスト、ドビュッシーとある意味リサイタルピースとして固定化されている部分があるかと思いますが、ヒナステラのラテン系の音楽もまた、聴いていて心地いいものです。

ちょっとジャジーで、でもジャズではなく、クラシックなんだけど、熱い・・・・・特にこの全集に収録されている作品にはそのようなものが多いように思います。

特に舞曲系統でそれは顕著で、バッハ以来の伝統に19世紀~20世紀初頭にかけての民謡採集運動の影響が強い「アルゼンチン舞曲集 作品2」や「南米風舞曲の組曲 作品15」は躍動感激しい、まるでロックな作品。でも聴いていてどこか爽快です。それは演奏者の魂でもあるんでしょうが。演奏するはこれがなんと日本人の津田理子。とらわれのない演奏は聴いていて本当に楽しい!

あえて批判すれば、ffがもっと強烈でもいいのにと思います。そのあたりはクラシック音楽のピアニストだからなんでしょうね。でもヒナステラの音楽ってもっとジャジーでいいと私自身は思うんです。なのでもう少しはっちゃけてもよかったかなあとは思います。それでも、ヒナステラの音楽が持つ俗的な美しさはみじんも失われていないのが素晴らしい!

津田さん、かなりのお年なので、若い人がもっとヒナステラの音楽を演奏することを望みます。ピアノソナタなんて、もうワクワクしますよ!若い人が続いてほしいものです。

 


聴いている音源
アルベルト・ヒナステラ作曲
アルゼンチン舞曲集 作品2
3つの小品 作品6
童謡による小品
12のアメリカ大陸風前奏曲 作品12
南米風舞曲の組曲 作品15
アルゼンチンの童謡によるロンド 作品19
ピアノ・ソナタ第1番作品22
ピアノ・ソナタ第2番作品53
ピアノ・ソナタ第3番作品55
津田理子(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。