かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ジュアン・アラン オルガン作品集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ジュアン・アランのオルガン作品集の2枚目を取り上げます。

いくつか遺作も入っているこの2枚目は、世俗曲の中にいくつか宗教曲が混じっているというラインナップになっています。そう、アランのオルガン作品は決してバッハのように宗教曲ばかりというわけではないんです。

いや、バッハだって宗教曲ばかりではありません。けれどもコラールなど宗教色にあふれるものが多いわけですが、アランは決してそうではありません。もっと自在にオルガンを使った創作をした人でした。

むしろ楽しい曲のほうが多勢を占めていて、マリーはそのまるで万華鏡のような作品たちを、慈しみつつ楽しんで弾いています。例えば最終曲「魔術幻影」などはまるでゲーム音楽のよう。戦争さえなかったら、もっと面白く聴きごたえのある作品を生み出していたことでしょう。

当時のいろんな様式が、アランのセンスにより一つの芸術へと纏められ、バッハとは一味違った世界がそこに広がっています。その世界の広がりを楽しんでマリーが弾いているのが手に取るようにわかるのも、また優れた演奏だと思います。

さすがに兄の作品をドイツで弾くのは難しかったのか、ロケーションはドイツ以外が選択されています(アランはドイツ軍に殺されているため)。作曲者本人を一番近くで知っていたマリーによるアンソロジー。オルガンを力任せに弾くなんて・・・・・と言ってるかのような、可憐で不思議な、だからこそ楽しい演奏です。ゆえに、夭折したことが大変哀しいのです・・・・・もっと多くの作品に触れたかったですね。

 


聴いている音源
ジュアン・アラン作曲
3つの舞曲 JA120
終課のための後奏曲 JA29
シトー会のコラール JA132
古い旋法によるラメント JA38
ファの旋法によるフーガ JA28
ヴァ―セット=コラール JA6
間奏曲 JA66bis
フリギア旋法のバラード JA9
アリア JA136
空中庭園 JA71
ラメント JA14
耳鳴りのする2つの音による子守歌 JA7bis
クリマ JA79
モノティ JA133
アンダンテ JA89bis
課題旋律 JA37
ジュール・ルメートルから JA62
魔術幻影 JA63
マリー=クレール・アラン(オルガン)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。