かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から〜小金井市立図書館〜カラヤンとウィーン・フィルによるシューマンとドヴォルザーク

東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介しています。今回はカラヤンウィーン・フィルを振った、シューマン交響曲第4番とドヴォルザーク交響曲第8番のアルバムを御紹介します。

この演奏は、恐らくアンチ・カラヤンカラヤン「非難」の根拠をすべて崩す演奏だと思っています。と言うか、自分が演奏から何を感じるかは、その人の人生や経験が大きく作用していると言う事を、まざまざと見せつけられるというか・・・・・

まず、オケがウィーン・フィルと言うことで、例えば1曲目のシューマンであれば、ベルリン・フィルだとどこか硬質でやっぱり帝王カラヤンというイメージで聴いてしまうところが、そんなものが微塵も感じられないどころか、豊潤なウィーン・フィルサウンドで満ちあふれ、どこか病的なはずのシューマンも、非常に美しく、しかしそれが嘘っぱちな感じもなく受け取れるんです。

一方のドヴォルザークの第8番。これがノイマンあたりだとどうしてもそこに鉄道のリズムが入ってきたりするのですが、筋肉質なカラヤンの解釈からはむしろ「鉄分」が感じられず、鉄道も走っているその風景の中で、喜びに満たされている人間の内面が聴こえてくるんです。そのためか、あえてppにしていない部分もあり、とても考えさせられます。

こういった「考えさせる」演奏もできるんだ、というより、私はむしろこれがカラヤンがしたかった演奏だったのではないかって思うんです。つまりは、ベルリン・フィルとの演奏のほうが問題ありってこと。

勿論、その中には良いものもありますが、多分、某諜報機関の影響で、ベルリン・フィルとの演奏はかなり脚色されているって、私は思っています。むしろリベラルで左寄りだったウィーンでこそ、カラヤンは自分の表現ができた、ということ。

クレンペラーを奉るために、カラヤンベルリン・フィル時代の演奏が比較でかかることがあるといいますが、それで本当にいいのでしょうか?それは少なくとも、夫々の一部で比較しているに過ぎないですし、また、人の印象は本当に外的要因でいくらでも変りますし、人生における経験にも左右されます。

え、経験は経験でしょ?って言いたい人もいるかもしれません。しかし、心理学では「フラッシュバック」という言葉があるのですが、音楽は、そして演奏はフラッシュバックを引き出すのに十分な力を持っています。カラヤンのエピソードで「洗脳」されており、かつそれが幼少期の経験と結びついている場合、カラヤンの演奏を嫌だと思うのは当然の話しなんです。不思議でもなんでもない。でも、それが「すべての人に当たり前」と考えるのはおかしい話なんです。

人生経験に置いて、カラヤンの演奏を聴いて感動するようなエピソードを持っているひとだってたくさんいるのです。それは別に悪く言うこともでありません。むしろ、カラヤンを妙に持ち上げて他の指揮者を悪く言うのなら、それは問題行動だとなります。

それを私は対人援助職という経験があるからこそ、判る訳なんです。人の受け取り方は本当に様々で、しかしある一定の条件の下なら、一つの集団になります。そういった研究めいたことをやっていない限り、アンチカラヤンの「文明的批判」は、私は当たらないと思います。では、カラヤンと言う人をどこまであなたは知っているんですか?って話になるからです。批判できるのは私はカラヤンと言う人を例えばカウンセリングしたことのある臨床心理士だけだと思っています。

クレンペラーの演奏は、私もこのブログで神奈川県立図書館のライブラリ紹介で散々取り上げていることですが、必ずしもいいものだけとは限りません。それはカラヤンと同じく言えると思います。後は自分の美意識が何処にあり、その美意識にそって受け入れ可能かだけなんです。カラヤンが嫌いな人は嫌いでいいです。それはその人にとってカラヤンの美意識が受け入れられないだけ、なんですから。それを間違いだと言うのならそれも私は違うって思います。実際、わたし自身がカラヤンの演奏をすべていいように評価しているわけではないから、です。

だからこそ、こういった「考えさせる」演奏をどんどん聴く必要があるってわけです。しかも、図書館からなら、嫌ならそのデータを消去すればいいだけです。購入には殆ど一銭もかかっていませんし、何の囚われもありません。嫌ならどんどん好きな人たちに放出すべし!ディスクユニオンが喜びます。それも嫌なら、裁断して捨てればよろしい。CDくらいなら今時のシュレッダーなら1枚ずつなら確実に裁断してくれます。

そんな世の中だからこそ、カラヤンのこのような「考えさせる」演奏を、図書館が持つということは、図書館が持つ使命からしても当然のことですし、小金井って自治体は本当に小さいながらこういったディスクを持っているんですから不思議な自治体だって思います。必ずしも神奈川県立図書館にないですよ、こういうのは。そこが、本当に不思議で素晴らしい点だと思います。




聴いている音源
ロベルト・シューマン作曲
交響曲第4番ニ短調作品120
アントニン・ドヴォルザーク作曲
交響曲第8番ト長調作品88
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波、或は水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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