かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:武蔵野室内アンサンブル第39回定期演奏会を聴いて

コンサート雑感、今回は平成30年7月1日に聴きに行きました、武蔵野室内アンサンブル第39回定期演奏会を御紹介します。

武蔵野室内アンサンブルは、武蔵野市を中心に活動するアマチュアの室内オケです。とはいえ、今回本当に驚きました。東京には本当にアマチュアの域を超えたオケが何と多いことでしょう!

http://musashino.music.coocan.jp/

行こうと思ったきっかけは、アマービレです。場所も府中の森芸術劇場と、近場だったのも選択した理由でした。

でも、そんな理由で、素晴らしいオケに出会えるのですから、何がきっかけになるかなんて、本当にわからないものです。

今回のプログラムは、以下の通りでした。

�@ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲
�Aシューマン 交響曲第1番「春」

え、1プロはないの?って、此れだけでも室内オケでの演奏が聴けるなんて、素晴らしいことです。しかも、市民オケに限りなく近いアマチュア室内オケで、です。曲目も選択した理由なんです。

特にシューマンのあたりからは、オケがだんだん大きくなる時期に当たります。けれども、現代のオケは、楽器の進歩とともに巨大化してきました。室内オケはモダンオケによるその巨大化へのアンチテーゼとも言えます。

特に、ベートーヴェンのヴァオリン協奏曲は、重厚で豊潤なアンサンブルとサウンドに私たちは慣れているわけなんです。しかし、作曲された当時のオケの編成は小さく、現在の室内オケと同等かそれよりも小さい編成だったと想像されます。

ヴァイオリン協奏曲 (ベートーヴェン)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%82%AA%E3%83%AA%E3%83%B3%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%99%E3%83%BC%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%B3)

今回の選曲は、明らかに室内オケで演奏できる範囲を取り上げていると言えます。しかし私たちはそれをフルオケで聴くのに慣れています。果たしてどんなワクワクがあるのかが、とても愉しみだったわけなんです。

まず、1曲目のベートーヴェン。対向配置はアマチュアでも本当に珍しくなくなりましたが、このオケも「うまいん」です!やせた音がほとんどしません。正確には若干ありましたけど、それが全く目立たないんです。

オケの、力づよい中も豊潤なサウンドが、府中の森芸術劇場のウィーン・ホールという、府中の森芸術劇場の中でも最も残響時間が長く優れたホールで、まさに自分たちの楽器のごとく鳴らしているんです。オケの情熱とうまさにソリストの横山奈加子(CDも出しているだけのプロ!)さんもノリノリで、生命力に満ちあふれた力づよいアインザッツと、カンタービレするヴァイオリン。まるで宮前フィルの二度目のメンコンのようです。

いや、正直言いますと、その時の宮前フィルより、うまいんです。もう超えていると言っていいと思います。本当にすごいオケが、ふと見渡せばいるんですから・・・・・

2プロのシューマンも、生命力あふれる演奏で、実はもうベートーヴェンから私は涙を流していたんです。それを今度は喜びに替えてくれるんです!いやあ、プロオケでもそんなことは、たとえ海外のオケであってもそうそうある話ではないですよ、実際。

でも、目の前で起きていることは夢でもなく現実です。特にベートーヴェンの第1楽章第1主題が鳴った途端でした、感動で涙が出たのは・・・・・

目の前にいるのは、アマチュアです。多分、時には同じ電車に乗っているかもしれない人たちです。同じ時間に職場へ行き、仕事をし、そして帰宅する。違うのは、週末彼らはオケの練習をしていると言うだけです。それ以外は単調な日常があるだけです。でも、そんな「仲間」たちが、プロ顔負けの演奏をしてくれたんです。もう、どんな言葉で感謝を伝えればいいのか、わかりません。

特に、今回の二つの作品は二人の作品の中でもカンタービレしている作品だと言えますが、その「歌謡性」は抜群でした。団員全員がカンタービレし、つまり歌う、何を?演奏する喜びかも知れませんし、再び聴衆と会える喜びかも知れません。兎に角、楽器による「歌」なんです。それが素晴らしい!

なかなか、アマチュアが「歌える」ことは少ないです。本来、学生だからこそ歌えるはずの中大オケだって、それが一番難しんです。でも、武蔵野室内アンサンブルの皆さんは、いとも簡単に歌っているんです。たまに、室内オケゆえのアンサンブルが重厚とは行かない部分もあるんですが、そんなのは全く気になりません。まるで、聖マーティン・イン・ザ・フィールズがモーツァルト交響曲にチャレンジしたように、すでに日本のアマチュアオケの室内オケは、十分古典派〜前期ロマン派の作品をしっかりと表現するだけの実力を備え始めたと言えるでしょう。

また、できれば再度聴きに行きたいオケが増えました。




聴いて来たコンサート
武蔵野室内アンサンブル第39回定期演奏会
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
ロベルト・シューマン作曲
交響曲第1番変ロ長調作品38「春」
横山奈加子(ヴァイオリン)
加門信行指揮
武蔵野室内アンサンブル

平成30(2018)年7月1日、東京府中、府中の森芸術劇場ウィーン・ホール

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村