かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

コンサート雑感:稲見里恵リサイタルを聴いて

コンサート雑感、今回は平成29年11月11日に聴きに行きました、ソプラノの稲見里恵のリサイタルをご紹介します。

あれ、どこかで聴いた名前ですねと気づかれた方は、コアな読者の方か、もしくは合唱団関係者ではないかな〜って思います。なぜなら、コア・アプラウスを採り上げる時にソリストもしくは指導で必ず私が挙げる人ですので・・・・・

http://speranza.verse.jp/inamirie/

詳しくは上記ホームページを参照していただきたいんですが(というのも、著作権の問題でURLしかご紹介できないので)、まあ、ご本人を知っているだけに、はらはらドキドキという感じでした。

とは言え、当日は私はいろんな用事が重なっておりまして、前半の途中からホールに入れるという有様でした・・・・・でも、前半最後の「私の名はミミ」から聴けたのはよかったです。

当日のプログラムは下記にご紹介するとして、前半がオペラアリア、後半が歌曲が中心のプログラム。で、実は監修は砂川稔。という、まさしくコア・アプラウスのラインなんですね〜。当日も、客席の真ん前に砂川先生が陣取っておられました。とはいえ実はステージにでる場所の真横が私の席だったため、出る時はわたしの真ん前を稲見女史が通ると言う・・・・・砂川先生と私とアイコンタクトで会釈するという場面もありました。

そんな雰囲気の中で、さて、どんな歌声を披露してくれるのかがとても楽しみでした。場所は神楽坂、音楽の友ホール。何と、当日満席・・・・・

まあ、そんな感じだったので私のすぐ前を通ることになったわけなんですけどね。これも稲見女史の人徳でしょう。

今回、あえて「先生」と呼ばないのは、今回は先生だからと言うよりも、独りのソリストとして私は聴きに行っているからです。勿論、かつて指導していただいた「先生」ですが、今回は一ソプラノのリサイタルを聴きに行っています。ですから、「女史」なのです。

さて、演奏はと言えば、いやいや、なんと伸びやかで艶があることでしょう!体調によってムラもある稲見女史ですが、今回は万全です。恐らく合唱団員が気を使ったのでしょう・・・・・・え、んなことはないって?うっそ〜ん。あるでしょ、絶対。風邪流行ってますしね。実際、私も風邪ひいてました・・・・・当日の午前中、医者に行ってます、私。

ま、ロケーションが音楽の友ホールという、小さな箱だったと言うこともあると思います。これはアマチュア・オケの人たちは、要注目点ですよ!ですから、オケ伴奏ではないリサイタルも、とても参考になるんです。

兎に角、条件的にはきつい状況の中で、万全の状態が作れたことは本当によかったと思います。前半のオペラアリアはヘンデル、そしてプッチーニがオペラから、モーツァルトフォーレショーソンが歌曲と、主にクラシック音楽の名曲が並びましたが、じっさいにホールで聴くことができた「私の名はミミ」は少し力入っていたかもなあって思いますが、可愛らしさも十分。さすがソリストだなあって思います。だってと(以下自己規制)

休憩の後の歌曲集は、クラシック以外のものが中心。山田耕作の「曼珠沙華」の哀しさと美しさが同居する雰囲気や、子守歌としては全国区でもある「島原の子守歌」は母としてと言うよりも、その歌を歌う母全員の想いのようなものが反映されているようで、クラシック畑ならではの表現を聴かせてくれましたし、ガーシュインの「サマータイム」ではジャジーな大人の女性を演出。黒人霊歌の「時には母の無い子供のように」では哀しみをにじませ、最後のR.シュトラウスの2曲「セレナーデ」「万霊節」ではふたたびクラシックらしい荘厳さも披露するなど、忙しい中疲れ切っている私でも、集中が途切れることのない素晴らしいパフォーマンスだったと思います。

特に今回いいなって思ったのは、のびやかな稲見女史の歌声に加えて、その選曲です。どれも肩の凝らない、素直に楽しめる、けれども実は奥が深い作品が並びました。これが聴き手には何とも楽しいんですね。クラシック音楽というのは、ただでさえスピリチュアルな「音楽」という表現の、至高のものであるわけで、スピリチュアリティが存分なジャンルであるわけです。その「霊性」が肩が凝らずに受け取れるというのは、聴き手の霊性に直接訴えかけるだけに、喜びをもたらします。正に「音を楽しむ」という音楽という用語にふさわしいプログラムだったと思います。

勿論、音楽には意味があると私は思っています。ただ、囚われてしまえば、それは時として単なる音の羅列でしかなくなり、何も感じなくなるのが人間というやっかいな生き物です。それを音の羅列ではない、意味のあるものにするためには、時として素直に楽しむと言うことも必要です。今までの私は実はこれが苦手で、何かしら意味がないとって思ってきました。でも今回、司会の説明も適切でしたし、ピアニストのフォローも素晴らしい!リサイタルなんですが、ソプラノとピアニスト、そして司会という3者のアンサンブルも楽しめて、おなかいっぱいです!

次に機会がある時も、行けるといいなあって思います。え、その前に合唱団で歌えって?

・・・・・検討しておきます、ハイ。もしかすると、日曜日の日中時間が空く可能性が出てきているので。ただ、あくまでも検討ですよ、検討・・・・・




聴いてきたコンサート
砂川稔 監修コンサートシリーズVo.6
ソプラノ 稲見里恵リサイタル
オルグ・フリードリヒ・ヘンデル作曲
オペラ「リナルド」より「私を泣かせてください」
オペラ「ジュリアス・シーザー」より「この運命に涙して」
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
夕べの想い K.523
ルイーゼが不実な恋人の手紙を焼いた時 K.520
ガブリエル・フォーレ作曲
月の光 作品46-2
夢のあとに 作品7-1
エルネスト・ショーソン作曲
リラの花咲く頃
ジャコモ・プッチーニ作曲
オペラ「ラ・ボエーム」より「私の名はミミ」
山田耕作作曲
曼珠沙華
長崎県民謡
島原の子守歌
ジョージ・ガーシュイン作曲
オペラ「ポーギーとべス」より「サマータイム
黒人霊歌「時には母の無い子供のように」
リヒャルト・シュトラウス作曲
セレナーデ 作品10-2
万霊節 作品10-8
山崎裕視(ナビゲーター)
渕上千里(ピアノ)
稲見里恵(ソプラノ)

平成29年11月11日、東京新宿、音楽の友ホール

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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