かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:アルビノーニ 協奏曲集2

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、アルビノーニの協奏曲集作品7のモダン演奏を取り上げていますが、今回はその後半です。

2枚目は作品7-7〜12が収録されていますが、基本的な演奏は変りません。イ・ソリスティ・ヴェネティのしなやかな演奏は、実に聴きごたえあるものです。

バロック音楽は全体的には軽めなんです。ですので本来、バッハのオルガン曲のような、重厚で重々しい演奏はありません。むしろ、鈴木雅明氏がしているような、すこし軽めのほうが本来です。ただ、バッハ自身の作品に込めた想いとしては、重々しい者であってもいいと私は思いますが、あくまでもそれはバロック期においてはレア・ケースです。

ですので、このイ・ソリスティ・ヴェネティがしているような、軽妙で気品のある演奏こそ、バロックらしいと言えます。え、でも、そんな演奏を聴けば古典派やロマン派の否定になるのでは?という意見も出そうですが、私の中ではまったくそうではありません。

アルビノーニの作品を聴くということは、バッハの作品への理解に繋がること、なのです。バッハの音楽がバロック期において示す位置をしれば、バッハの音楽には様々な側面があることが分かってきますし、そのバッハの音楽が古典派へ直接つながっていったのだということがわかる一方で、このようなイタリア・バロックも実は古典派へとつながっていることも理解できるからです。

つまり、バッハもこのアルビノーニの音楽の延長線上にいるのですが、当然ですが時代が少しずれますし、マウンダー極少期の影響もことなります。政治や社会も近くて異なります。そういった様々な差異が、バッハの音楽へとつながっている・・・・・そこに気づくことが大切なのです。

私はそこに気づくことで、音楽の聴き方ががらりと変りました。このアルビノーニのモダン演奏においてもそうです。ピリオドとモダンの違いを楽しむとか、以前では考えられたかったです。ピリオドを聴きながら、でもやっぱりピッチから言ってもモダンだよなあと思っていました。でも今は、どちらでもいいです。勿論、ピリオドばかりという傾向はあまりいいとは思っていません。それだとアマチュアバロック音楽を楽しむ機会が減るため、音楽のすそ野が狭まるからです。ですから、モダン演奏がもう一度増えてくればなあと思っています。

その上で、一聴衆としては、ピリオドとモダンの差を楽しむこともできています。二つあることでバロック音楽演奏はとても豊かなものになっているからです。それを楽しまないのはもったいないですから。ですから、その二つを楽しむことができているのは、幸せなことだと思っています。

勿論、それはイ・ソリスティ・ヴェネティの実力の高さ故ですが、プロと言う者はそういうものでしょう。それを論評するのは野暮と言うものです。プロとしてどれだけのものを聴かせてくれるのか、どれだけ楽しませてくれるのか。そこにフォーカスすることこそ評論だと思います。ですので私もそれを外したくはないですが、あくまでも一聴衆、元合唱屋として、自分がどれだけ楽しめたのか、理解に至ったのか、何を得たのかを表現する場が、このブログだと思っています。

その上で、プロアマ問わず、演奏者の応援になればいい・・・・・このスタンスはずっと変わらず持っています。イ・ソリスティ・ヴェネティの演奏に触れて、さらにその想いを新たにしました。




聴いている音源
トマゾ・アルビノーニ作曲
協奏曲集作品7 7〜12
ピエール・ピエルロ(オーボエオーボエ協奏曲)
ピエトロ・ボルゴノヴァ(オーボエ、2本のオーボエのための協奏曲)
ピエロ・トーゾ(ヴァイオリン)
クラウディオ・シモーネ指揮
イ・ソリスティ・ヴェネティ

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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