かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲全集5

今月のお買いもの、平成28年5月に購入したものを御紹介しております。シリーズでお届けしているヴィオッティのヴァイオリン協奏曲全集の、第5集を取り上げます。

第5集では第20番、第27番、第4番が収録されており、ヴィオッティの様々な顔を楽しむことができます。第20番は旋律的には古風ながら、和声ではロマン派を志向している作品ですし、第27番は第20番をさらに進めたような作品、そして第4番は誠に古典派という作品で、ベートーヴェンと同じ時代を生きながら、モーツァルトで留まっているというような作品です。

ある意味、二けたと一桁とでは音楽の性質が似ているようで違うので、コントラストが付いている作品が並んでいると言えます。となると、ここまで見ればこの全集が番号順で見ると言うよりは、とにかくヴィオッティの作品を世に知らしめるという性格が強い全集なのだなと解かります。

本当はだからこそ、私などは成立年を各曲で示してほしかったな〜と思います。そうすれば、パソコンで取り込んでしまえば番号順でなくても成立順で並び直せばいいので、ヴィオッティの作風がどう変化しているかという事が分かるのですけどね。

全体的に見れば、ヴィオッティは保守的な作曲家ですが、だからと言って新しい時代に全く対応しなかったのかと言えばそうではないことが、この第5集からは見えるかと思います。心地よい音楽の中に、ヴィオッティが置かれた「時代」というものが、私には見えてくるように思います。

さて、この演奏も独奏はフランコ・メッツェーナですが、オケもシンフォニア・ペルシナで第3集、第4集と同じです。メッツェーナが独奏と指揮を担当すると言う、恐らく初演時に似た編成は、ヴィオッティの作品がそれだけ保守的であることを示すのですが、それが和声が変化するだけでがらりと変るという事もこの第5集は主眼としているように思われます。その意味では、メッツェーナは優れた演奏家であると言えましょう。

とても生き生きとしており、生命力あふれる演奏です。生きることが肯定されており、とても快活な作品を誠にその通りに弾く。それはできるようでなかなかできないのです。

古典派なのに、どこか甘い感情すら漂う・・・・・ベートーヴェンとはまた異なる古典派の世界を描いた作品を、みごとに現代によみがえらせていると言えましょう。




聴いているCD
ジョバンニ・バッティスタ・ヴィオッティ作曲
ヴァイオリン協奏曲第20番ニ長調W20/G92
ヴァイオリン協奏曲第27番ハ長調W27/G142
ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調W4/G33
フランコ・メッツェーナ(ヴァイオリン、指揮)
シンフォニア・ペルシナ
(Dynamic CDS498/5)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




このブログは「にほんブログ村」に参加しています。

にほんブログ村 クラシックブログへ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシック音楽鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ クラシックCD鑑賞へ
にほんブログ村
にほんブログ村 クラシックブログ 合唱・コーラスへ
にほんブログ村