かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ヴィオッティ ヴァイオリン協奏曲全集3

今月のお買いもの、平成28年5月に購入したものをご紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ヴィオッティのヴァイオリン協奏曲全集の第3集を取り上げます。

シリーズでヴィオッティのヴァイオリン協奏曲全集を取り上げていますが、その第3集には第7番、第13番、そして第16番が収録されています。一つのCDに協奏曲が3つ入るというのも、ヴィオッティの作風をうかがわせる一つの指標になっています。

勿論、演奏時間など演奏者によって変わる場合もあるので、完全な指標として使うことは出来ませんが、古典派の場合、おおよその目安にはできます。

長調短調の違いはありますが、第1楽章導入部で長いオケの演奏の後、独奏ヴァイオリンが出るというのは3つ共に共通しており、その後の協奏曲のスタイルがここで確立されていることがよく分かります。

こういった作品を聴くことは、同時代のベートーヴェン、或はモーツァルトハイドンと言った作曲家の作品を理解するうえでとても大切だと思います。その上で、この3曲とも作品自体が素晴らしい!

第7番は長調であるゆえに全体が明るさで貫き通されており、青空がぱあっと広がるかのようですし、第16番は一点短調ですが、それゆえに陰ひなたが明確で、そのコントラストが実に美しい作品です。ベートーヴェンが評価する作曲家だけあると思います。

演奏もまた素晴らしいものです。第2集までのソリストであるメッツェーナがこの第3集では指揮も行っていますが、これはまさしく古典派までの演奏スタイルです。オケは第2集とは変わりシンフォニア・ペルシナ。モダンオケですが、主にバロックから古典派を専門とするオケのようで、様々な作曲家の作品の演奏を手がけているグループです。となれば編成はそれほど大きくないという事が言えるかと思います。それ故、独奏者が指揮をするスタイルに何ら問題がないのでしょう。

その意味では、同時代のベートーヴェンと比べますと、ヴィオッティは保守的、つまり古いスタイルに拘泥していた作曲家だと言えますが、それでもベートーヴェンが評価している部分が明確になっているようなステディな演奏が光ります。

特に、演奏面では繰り返し部分を弱く演奏することや、低音部から高音部へと上がっていくときはpからfに段々なっていくなど、古典派の時代の決まりごとがきちんと演奏に反映されている点です。それが聴き手には爽快感をもたらし、聴き終わった後に充実感を与えてくれます。端正さの中に非凡さが光る名演です。




聴いているCD
ジョバンニ・バッティスタ・ヴィオッティ作曲
ヴァイオリン協奏曲第7番変ロ長調W7/G46
ヴァイオリン協奏曲第13番イ長調W13/G65
ヴァイオリン協奏曲第第16番ホ短調W16/G85
フランコ・メッツェーナ(ヴァイオリン、指揮)
シンフォニア・ペルシナ
(Dynamic CDS498/3)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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