かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:カール・フィリップ・エマヌエル・バッハ 作品集1

今月のお買いもの、平成28年1月に購入したものをご紹介します。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、カール・フィリップエマヌエル・バッハの作品集を、このコーナーを使って10回にわたりご紹介します。レーベルはドイツ・ハルモニア・ムンディ。

実は、カール・フィリップについてはこのブログでも結構取り上げており、ということは音源が重複する可能性もあるという事なのですが、カール・フィリップの業績をまとめて俯瞰できるのはこの作品集だろうと思い、購入しました。

カール・フィリップの作品については、「今月のお買いもの」コーナーと「神奈川県立図書館所蔵CD」のコーナーとで、合計5回取り上げています。

今月のお買い物:C.P.Eバッハ フルート&オーボエ協奏曲
http://yaplog.jp/yk6974/archive/386

今月のお買い物:カール・フィリップ・エマヌエ・バッハ 弦楽のための交響曲wq182
http://yaplog.jp/yk6974/archive/408

神奈川県立図書館所蔵CD:大バッハの息子達1
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1065

神奈川県立図書館所蔵CD:大バッハの息子達2
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1066

神奈川県立図書館所蔵CD:大バッハの息子達3
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1070

少しずつ追いかけていきたい・・・・・そう願って、はや6年。その間に図書館でようやくある程度まとまった音源を見つけたのはいいのですが、バッハ・ファミリーと言えばやはり鍵盤なのです。

この作品集の第1集は鍵盤作品が収録されている点で、さすがドイツ・ハルモニア・ムンディだねえと思います。しかも、聴けばすぐわかるかと思うのですが、最後の方で収録されているのは、フォルテピアノのための作品なのです。

収録曲の殆どはチェンバロのための作品ですので、もしかすると影が薄いかもしれませんが、聞き流していても「あれ、さっきまでとは違う音色が鳴っている」と気づくはずです。

ウィキでもいいのですが、鍵盤楽器であれば、やはりピティナを参照してみましょう。

バッハ, カール・フィリップ・エマヌエル Bach, Carl Philipp Emanuel [ ドイツ ] 1714 - 1788
http://www.piano.or.jp/enc/composers/308/

評価されない苦しい時代に、鍵盤楽器の研究書を書いたり、作曲をしたりしていたわけですが、カール・フィリップの時代はすでに鍵盤楽器と言えばチェンバロだけを指すとは限らないのだということを、この第1集は強烈に教えてくれます。

各作品とも、カール・フィリップの時代らしい多感様式の音楽を聴かせてくれますが、最初チェンバロで始まり、最後クラヴィーアで終わるという編集は素晴らしいなあと思います。以前から私もカール・フィリップは移行期の作曲家だと述べていますが、正にその時代というものを如実に感じることができる編集になっているのです。

演奏者は、アンドレアス・シュタイアー。堅実な演奏者であると言えましょう。チェンバロだけではなく、フォルテピアノも演奏するという点から白羽の矢が立ったのでしょうが、音色の違いが明らかであっても、共通するのは、しなやかであるということ。それが音楽を生き生きとしたものにして、雄弁に語らせているという事なのです。

アンドレアス・シュタイアー
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AC%E3%82%A2%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%A2%E3%83%BC

カール・フィリップが残した鍵盤楽器作品はチェンバロもあり、クラヴィーアもあるというのが特徴です。このカール・フィリップに師事したからこそ、モーツァルトは最初チェンバロ作品の研究から入る訳で、その後クラヴィーアへと転向していきます。なぜモーツァルトがそのような経緯を辿ったのかを知るのは、こういったカール・フィリップの作品を讃頌してみるのが一番の早道だなあと思います。

ソナタの中には、まるでモーツァルトどころか、ベートーヴェンを彷彿とさせる和声もあり、恐らくベートーヴェンハイドンだけではなく、カール・フィリップにも影響を受けているだろうと想像できる作品も収録されており、古典派の作曲家が幼き頃に聴き、作曲を志した作品がどんなものかを知ることができるかと思います。

旋律よりもはるかに古くさくないことを演奏が教えていますが、それはそもそも作品が本質的に持っているものであることも、この演奏は教えてくれます。




聴いているCD
カール・フィリップエマヌエル・バッハ作曲
チェンバロソナタト短調Wq49-1H30
フォリアによる12の変奏曲ニ短調Wq118-9H263
2段鍵盤のチェンバロのためのソナタ ニ短調Wq65-17H47
自由な幻想曲嬰ヘ短調Wq67H300
ロンドハ短調Wq59-4H283(専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタと自由な幻想曲 第5集)
ソナタホ短調Wq5-1H281(専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタと自由な幻想曲 第5集)
幻想曲ハ長調Wq61-6H291(専門家と愛好者のためのロンド付きピアノ・ソナタと自由な幻想曲 第6集)
アンドレアス・シュタイアー(チェンバロフォルテピアノ
(deutsche harmonia mundi 88843021622-1)


地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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