かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:イギリス・テューバ協奏曲集

今月のお買いもの、平成27年10月に購入したものをご紹介しています。今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ナクソスから出ているイギリス・テューバ協奏曲集を取り上げます。

テューバ協奏曲というジャンルは多少珍しいですが、ホルン協奏曲など、金管楽器のための協奏曲はそれほど珍しくはありません。ただ、後期ロマン派では多少珍しいのですね。ただ、リヒャルト・シュトラウスが作曲しているなど、決して0ではありません。

そういったところで、先日神奈川県立図書館所蔵CDのコーナーで、ヴォーン・ウィリアムズのバス・テューバ協奏曲を採り上げました。実はこのアルバムにも3曲目に収録されています。作曲年代から言えば一番古いのがそのヴォーン・ウィリアムズのものです。

で、それ以外は実は、ヴォーン・ウィリアムズよりは新しいという事になります。そして実は、ヴォーン・ウィリアムズ以外の作品は、ヴォーン・ウィリアムズの系譜を引く作曲家によってつくられたのです。このアルバムは、イギリスにおいてヴォーン・ウィリアムズがどれほど大きい存在なのかを教えてくれます。

まず、1曲目はグレグソン作曲のテューバ協奏曲です。1978年の作曲で、比較的旋律的なのが特徴で、まさしくヴォーン・ウィリアムズの影響を強く受けていると言えるでしょう。

エドワード・グレグソン
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%89%E3%83%AF%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%82%B0%E3%82%BD%E3%83%B3

元々吹奏楽を得意とした作曲家らしく、テューバが一連の流れの中で流麗に動くさまは素晴らしい作品です。

2曲目が、ステプトーのテューバ協奏曲です。1953年生まれのこの作曲家は、管弦楽作品や協奏曲を数多く作曲しています。この作品は1983年に作曲され、1986年に初演されました。ヴォーン・ウィリアムズのほんわかした路線に、さらにフランス音楽のような洒脱さを持った、不協和音を持ちつつも優雅な作品です。

なお、公式サイトを挙げておきます。ここでは何と!このナクソスの音源がきけてしまいます。私のブログの真偽を確かめたい方は、是非どうぞ。なお、上記グレグソンも公式サイトがありますが、音楽を聴くことは出来ません。さらに生の情報を得たい方は、ウィキの「公式サイト」をクリックしてみてはいかがでしょうか。

http://www.rogersteptoe.com/biography.shtml

なお、テューバ協奏曲は「Recording」のナクソスと、「Works」の「Brass」から聴くことができます。

3曲目が、神奈川県立図書館所蔵CDでは既出の、ヴォーン・ウィリアムズテューバ協奏曲です。もう一度ウィキのページを再掲しておきます。

チューバ協奏曲 (ヴォーン・ウィリアムズ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%90%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2_(%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA)

ここまでかなり個性的な作品が並んでいるのですが、そんな中でもう一度この作品を聴いてみますと、全く違和感がないばかりか、さらに個性が光るのですよね。ヴォーン・ウィリアムズという作曲家を、私達日本の聴衆は過小評価してはいないかなあと思わせます。

最後の4曲目がゴランドのテューバ協奏曲です。ゴランドは20世紀イギリスの作曲家で、1曲目のグレグソンとほぼ同じ年代なのですが、1993年に亡くなっています。グレグゾン同様吹奏楽を得意とした作曲家で、テューバがやはり流麗です。この作品のほうがヴォーン・ウィリアムズ?とも思えるほどの旋律と不協和音のバランスが絶妙であり、美しさは絶品です。

John Golland
https://en.wikipedia.org/wiki/John_Golland

こう、イギリスのまさしく20世紀音楽を聴きますと、いかに私たちがドイツ音楽だけに偏っているかを実感させられます。美しく素晴らしい作品がこれだけあるのに、全く顧みないという点を知るにつけ、自分は視野が狭いなあと実感させられます。

オケはバレエ劇場のオケだけあって、ソリストを立てますねえ。かといって従属するのではなく、きちんと対等にアンサンブルします。しかしこれらの作品はそれほど超絶技巧というわけではなく、むしろ古典派に戻ったかのような、会話する作品がほとんどなので、その「会話」という部分を大切に、軽妙さや洒脱さという部分を大切にした演奏が光ります。それが豊潤さと透明感、そして清涼感すら漂わせるのですから、不思議です。

金管では一番低いとも言えるテューバですが、立派にソロ楽器になることを教えてくれているこのアルバムは、さすがです。こういったアルバムが出ることが、ヨーロッパらしさ、なんですよねえ・・・・・

で、日本なら、どんなアルバムを出しましょうか。各メーカーさんには、知恵を絞っていただきたいところです。




聴いているCD
エドワード・グレグソン作曲
テューバ協奏曲
ロジャー・ステプトー作曲
テューバ協奏曲
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲
バス・テューバ協奏曲ヘ短調
ジョン・ゴランド作曲
テューバ協奏曲作品46
ジェームズ・グーレイ(テューバ
ギャザウィン・サザーランド指揮
ロイヤル・バレエ・シンフォニア
(Naxos 8.557754)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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