かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ヴォーン・ウィリアムズ 交響曲全集3

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、ヴォーン・ウィリアムズ交響曲全集を取り上げていますが、今回はその第3回目です。

第3集には、第3番と第4番が収録されています。第3番は正式には田園交響曲と呼ばれるものです。

田園交響曲 (ヴォーン・ウィリアムズ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%94%B0%E5%9C%92%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2_(%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA)

そして第4番は標題がなく、実はこの第4番から番号が振られたのでした。

交響曲第4番 (ヴォーン・ウィリアムズ)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC4%E7%95%AA_(%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA)

この二つの作品は対照的です。第3番である田園交響曲はそれまでのヴォーン・ウィリアムズらしい音楽になっていますが、第4番は不協和音が多用されており、何か不安なことでもあったかのようです。

しかし、第1次世界大戦の挽歌とも言われているのは、明るさもある第3番のほうで、第4番はそういう背景が特に明記されていません。ただ、第4番は作曲が1935年なので、ナチスドイツの台頭という危機に不安をもってというのはあるかもしれません。

標題がないからこそ、それまでもそうでしたが、この第4番からは積極的に聴衆の想像に任せるようにしたのでしょうが、それにしては一転して不協和音が多いことが説明がつかない部分でもあります。ヴォーン・ウィリアムズは作風がそれほど変化していない作曲家として音楽史では認識されているためです。

レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA

なのに、不協和音の嵐とは、いったいどういう事でしょう?恐らく、別に不協和音を使うことを嫌がっていたわけではなかったという事になりましょう。あえて使わなかった・・・・・そう考えれば、腑に落ちます。

そこで、第4番では思い切って使ってみようということになったのではと思います。それまでの英国音楽が比較的旋律線がはっきりした作品が多かったという点もあるでしょう。さらに、それまではまだヴォーン・ウィリアムズのほうに自信もなかったのかもしれません。作曲家としては遅咲きですから。その上で、世界はナチスの台頭で不安定要素が満ちていました・・・・・

従軍経験もあるヴォーン・ウィリアムズですから、ある程度の想像はついたはずです。世界がどんな方向へ行くのか・・・・・・その漠然とした不安を、思い切って表現するには、やはり不協和音の多用からは逃れられません。ショスタコーヴィチがそうであったように・・・・・

田園交響曲と第4番とが異なるのは、そういった背景があるように思えるのです。

演奏はプレヴィンとロンドン響ですから、素晴らしいのですが、肩に力が入っていないのがいいのです。プロオケなら当たり前なのではって思いますが、そうでもないです。何度もこのブログでも、ナクソスのアルバムでは肩に力が入ってしまった演奏を取り上げています。それでも素晴らしいので取り上げていますが、このプレヴィンとロンドン響は本当に余分な力が入っておらず自然に音楽を鳴らしているのです。

でも、クライマックスでは思いっきり力が入っていますし、情熱も伝わってきます。このあたりがさすが有名オケと言えるでしょう。強烈キャラではないヴォーン・ウィリアムズの、しかし個性的な作品を演奏するには、十分な姿勢だと思います。




聴いている音源
レイフ・ヴォーン=ウィリアムズ作曲
田園交響曲交響曲第3番)
交響曲第4番ヘ短調
アンドレ・プレヴィン指揮
ロンドン交響楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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