かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:J.シュターミッツ 交響曲集2

今月のお買いもの、平成27年4月に購入したものをご紹介しておりますが、今回はディスクユニオン新宿クラシック館にて購入しました、ヨハン・シュターミッツの交響曲集の第2集をご紹介します。

ナクソスから出ているこのアルバムは、第1集に続くものですが、前古典派の気品のある音楽を楽しむことが出来ます。

さて、ここで全体的なことに触れたいと思うのですが、第1集第2集共に、実は収録曲をみるとある特徴が浮かび上がってくるのです。それは、やはりヨハン・シュターミッツの時代はバロックの影響を受けているという点です。ただ、音楽的にはバロックの残骸はあまり見られません。どういうことか?

以前、カール・フィリップエマヌエル・バッハ交響曲シンフォニア)を取り上げたことがあったかと思いますが、その時に触れましたように、聖なる数字3の倍数である、6曲がセットになっている、という事なのです。

特に、この第2集では作品4が収録曲のすべてになっていますが、3番目と5番目を収録せず、1番目と6番目は収録するという編集方針は、この作品4が明らかに6曲セットであるということを穿わせるのです。勿論、そうではない可能性もありますが・・・・・

枝番号がそれほどたくさんつくとは思えないんですね、古典派の時代までは。ロマン派になりますとそれほど重視しませんから枝番号で7番以降もということはないですが(というよりも、そういった枝番号を付けることが減ってきます)。

クラシックの伝統で、3の倍数ということ自体は、ロマン派でも例えばショパンピアノ曲でも行われていることですから、なんら不思議なことではありません。その上で、枝番号で6となると、やはりバロックの影響が強く表れていると言えましょう。

わが国は音楽で感動するかどうかが重視される傾向がありますので、こういった点はスルーされがちなんですね。それがいけないと言うつもりはないんですが、感動するだけが音楽なのか、と思うのです。

例えば、20世紀の音楽は決して感動するだけの作品ではありません。しかし、共感する部分はたくさんあるのです。この「共感する」という部分を、私は大切にしたいと思います。そのおかけで、私はショスタコーヴィチの作品を受け入れ、さらには感動することすらできたのですから。

まず、自分が共感できるのかどうか。それは音楽を聴くとき、私が重視している点の一つです。その点で、このヨハン・シュターミッツは充分共感できる作品を書いていると思います。初期モーツァルトの作品の恐らく手本になったであろう多感様式的な音楽、モーツァルトよりも先進的な4楽章形式。このヨハン・シュターミッツの作品を聴きますと、文科省の教科書的な「ハイドンモーツァルトベートーヴェン」というような音楽史の連続ではなく、むしろこの3人はたしかに生まれはその順番だけれども、音楽の発展という点ではほぼ同時代だと言えるのだという事を、はっきりと認識させてくれるのです。その点こそ、私が共感できる点なのです。

演奏もとても共感できるもので、リフレインを弱くするなど、古典派の作品を演奏しているという認識が深いと思います。これを外形的美という人もいますが、そもそも、古典派というのは、その外形的美を楽しむ時代だったのです。それがいやならそれ以降の作品を聴けばいいだけの話ですし、私は古典派やそれ以降、以前の作品も喜びを感じますので、聴きます。

以前から申し上げておりますが、時代時代によって美とするものは異なるのです。しかし、共通する点があります。その音楽は、聴く者に喜びを与えるものか、です。

ベートーヴェンは他者の喜びなど考えていないと思われがちですが、ならば弦楽四重奏曲はどう考えればいいのでしょう?他者との喜びを分かち合うという点をスルーして、ベートーヴェン弦楽四重奏曲を理解することは難しいと思います。当時の多くの人たちの共感を得ることは難しかっただけで、ベートーヴェンを支持した人たちへの共感と喜びは詰まっている作品だらけです。決して引きこもっていたわけではありません。

ヨハン・シュターミッツのこれらの交響曲は、聴けば何とはない作品なのですが、音楽史を俯瞰して聴きますと、実に雄弁に様々なことをかたり出すのです。是非とも一度、皆様も聴いてみてください。




聴いているCD
ヨハン・シュターミッツ作曲
交響曲ヘ長調作品4-1
交響曲変ホ長調作品4-4
シンフォニア・パストラーレ ニ長調作品4-2
交響曲変ホ長調作品4-6
ニコラス・ウォード指揮
ノーザン室内管弦楽団
(Naxos 8.554447)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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