かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ドヴォルザーク 交響曲・協奏曲集6

神奈川県立図書館所蔵CD、シリーズでドヴォルザーク全集から交響曲と協奏曲を取り上げていますが、6回目の今回は、交響曲第6番を取り上げます。指揮とオケはお馴染みのヴァーツラフ・ノイマン指揮チェコ・フィルハーモニー管弦楽団です。

第6番はこれ以前には、ナクソスのものと、スウィトナー指揮シュターツカペレ・ベルリンの音源をご紹介していますが、少なくともスウィトナーとはあまりテンポの差が認められません。しかし所々、特徴が見受けられます。

一気にフォルティシモへとクレッシェンドする部分は、まるで音の爆発とも言うべき演奏となっており、オケがまるで生き物のように、まさしく喜びを爆発させるような演奏になっています。それでいて、乱れがないのは、さすがだと思います。

そして、この演奏も充分に「鉄分」一杯です。というか、ノイマンスウィトナーとで共通するのが、「鉄分」、つまり鉄道ヲタク一杯の表現なんですね。

ということは、やはり・・・・・

そう、ドヴォルザークは自らの交響曲を作曲するとき、鉄道が念頭にあった、という私の推測がここでも出てくるわけなんです。ただ、この第6番では、蒸気機関車そのものを表現したというよりは、より明確に蒸気機関車が走る風景を表現した、というほうが適切だろうと思います。

ただ、どの交響曲でも共通するのは、第4楽章は必ず蒸気機関車の音が入れ込まれているということです。この第6番でもそれは顕著です。主題呈示部や再現部、そしてコーダは明らかに蒸気機関車のドラフト音をオーケストラで表現したような音形となっています。

チェコ・フィルは弦が美しいといわれますが、その美しい弦が素晴らしいアンサンブルでドラフト音を表現し、金管が汽笛を表現して、ボヘミアの草原を機関車が煙をたなびかせて、いや、モクモクと煙をあげて疾走していく。そんな風景がふと目に浮かんできます。

速めのテンポ、歯切れのいいアインザッツ。それが織りなす、鉄道のある風景・・・・・

それをさらに遠景からカメラに静かに収めたように、カップリングとして弦楽のためのノットゥルノが収録されていますが、あれだけ吠えていた弦楽器は、ここでは静かに私たちに過ぎ去った時を語りかけてきます。

鉄道と言っても、ドヴォルザークの音楽で扱われているのは蒸気機関車。現在では動態保存されている幾つかの路線でしか見ることができないものです。今や、新幹線が時速320キロで駆け抜ける時代で、いよいよリニアも実用化されるというタイミングですが、ここで表現されているのは、まだまだ最高時速としては120キロ前後の、蒸気機関車です。

それを私たちに再確認させるかのように、最後にノットゥルノがしずかに演奏される・・・・・

いやですね、私もそんなので感傷的になる年齢になってしまったようです。

昔、こういわれたものです。「あんたは遅く生まれてしまった。もう少し早ければ、蒸気機関車が現役バリバリで運転されているのを見ることができたものを」。

確かに、蒸気機関車はみたいですけれど、早く生まれたのがいいかどうかはわかりません。ただ、確かに蒸気機関車が一番絵になる時代であったことは、間違いないでしょう。

ノイマン/チェコ・フィルは、そういった時代まで、考慮に入れているかのようです。




聴いている音源
アントニン・ドヴォルザーク作曲
交響曲第6番ニ長調作品60 B112
弦楽合奏のためのノットゥルノ 作品40 B47
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。




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