かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ヘンデル オーボエ協奏曲第1〜3番他

今月のお買いもの、2月に購入したものを取り上げています。今回はヘンデルオーボエ協奏曲を取り上げます。ナクソスからでているもので、ディスクユニオン吉祥寺ジャズ&クラシック館での購入です。

この月は、先日とりあげた黛さんのを含め2枚しか購入できませんでした。しかも諸般の影響により予算は1000円・・・・・

となると、CDも買えるもの、買える場所というのは限られてくるわけで、ものは中古、場所はディスクユニオンとなるのは自明の理というわけで・・・・・

しかも、ディスクユニオンのCDでも、新譜の値段が安いナクソスあたりや、あまり人気のない作曲家(黛さんがそうです)を狙うということでなければ、その予算での購入はなかなか難しいです。

逆に言えば、限られた予算の中で多くのCDを購入し、楽しむためには、頭を使わないといけないと言うことであります。視点を変えれば、それができればお金が多少なくても充分楽しめると言えましょう。

さて、このCDはヘンデルオーボエ協奏曲と、オーボエが主役である楽曲が収録されていますが、私が購入を決めた理由の一つがまさしく、オーボエであるからということです。

何のことかといえば、オーボエバロック〜古典派の時代に掛けては、主要なソロ楽器の一つだったからです。

オーボエ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%82%A8

勿論、近代になっても協奏曲は作曲されていますが、作曲家が複数を残すとなると、やはりバロックがダントツなのです。それほど、オーボエ協奏曲はバロックを代表するジャンルと言えるでしょう。

このCDは、オケはモダンですし、オーボエも当然モダンです。しかし、バロックという時代を強く意識したものになっており、オケは室内オケです。ゆえに、ソロとオケのバランスがとてもよく取れている録音となっています。それがなんといってもバロック的です。

ただ、ヘンデルが活躍した時代というのは、バロックの終わり。バッハの作品がそうであるように、ヘンデルもまた、完全なバロック様式の協奏曲ではありません。むしろ古典派に近いものとなっています。3つの協奏曲は凡て4つに分かれていますが、第1楽章とも言えるものはすべて序奏の役割を担っています。

実際の第1楽章はその次の楽章となっており、事実上の3楽章で、急〜緩〜急の構成を持つと言っていいでしょう。また、視点を変えれば緩〜急〜緩〜急の4つからなり、構成面では均整のとれたものとなっているとも言えましょう。

演奏は端正で、だからこそ上記の特色が前面に出てきています。軽めに徹しており、それも曲の特色を引き立てる効果を挙げています。

特にヘンデルの音楽ですが、楽しむことを前提に作曲されています(バッハも「基本」そうなのですが)。だからこそ軽めの、重々しくない演奏というのは軽薄というよりは、私は楽譜と真剣に向き合い、正面から作品にいどんだ結果だと思っています。その意味で、この演奏は私は高く評価したいと思います。

それは特に5曲目の組曲ト短調で顕著です。舞曲がずらっと並んだ組曲こそ、軽めの演奏がぴったりくるものはありません。勿論、軽薄さがあっては魅力を損ないますが、舞曲こそ王侯貴族の愉しみだったのですから、テンポをゆっくりとするのは問題ないと思いますが、アインザッツを強烈にしすぎて、重々しくするのはあまり好ましくないと思います。舞踏会などで使用するような曲に個人的な感情を持ち込むことは曲の魅力を損なうように思います。

個人の感情をこめすぎてもすぎることはない作品は他に数多くありますし、そういった作品を演奏するときにそうすればいいことです。純粋に楽しむための音楽には不必要であると私は考えます。

その視点が、この演奏も徹底しているんですね。だからこそ、約1時間の演奏時間があっという間に過ぎていきます。その上で、自分の心にもしっかりと楽しいという感情が湧き上がってきて、それが印象に残っていきます。ああ、生きていてよかったな、と。

私がバロックの作品を取り上げる時にはよく触れます、マウンダー極少期ですが、そういった厳しい時代を経験、あるいは伝え聞いた世代の人々が残したのが楽しい音楽だったとすれば、現代の私たちにとっては、ではなぜそれだけ厳しかったのに楽しいものを残したのか、という点を考える必要があるわけです。それこそ、バロック期の作品を聴くときに於いても、私たち聴き手は充分に、作品や作曲者、あるいは演奏者と聴くことで対話が可能であるということを示しています。

ストーリーは知っていてもいいですし、知らなくてもいいでしょう。ただ、作品が生み出された時代はどういう時代だったのかくらいは、知っておいた方がより対話しやすいだろうと思います。さすれば、過度に重々しい演奏でなくても、私たちは幸せになることが出来ることを、この演奏は示し、問うているのだと思います。



聴いているCD
オルグ・フリードリッヒ・ヘンデル作曲
オーボエ協奏曲第3番ト短調HWV287
オーボエ協奏曲第2番変ロ長調HWV302a
オーボエ協奏曲第1番変ロ長調HWV301
アリアとロンド(カムデンによる管弦楽編曲)
組曲ト短調(カムデン編)
歌劇「オットーネ」序曲変ロ長調
アントニ―・カムデン(オーボエ
ジュリア・ジルトウッド(オーボエ
ニコラス・ウォード指揮
シティ・オブ・ロンドンシンフォニア
(Naxos 8.553430)

地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。



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