かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ステンハンマル ピアノ協奏曲第1番ほか

今月のお買いもの、9月に購入したものをご紹介していますが、ようやく9月最後のものをご紹介することが出来ます。スウェーデンの作曲家ステンハンマルのピアノ協奏曲第1番他を収録したものです。丹千尋のピアノ、渡辺新指揮オーケストラ・ナデージダの演奏です。

9月2日にナデージダのコンサートを聴きに行っていますが、その時に会場で購入したものです。

コンサート雑感:オーケストラ・ナデージダ第8回定期演奏会を聴いて
http://yaplog.jp/yk6974/archive/1026

この時の演奏が全体的に素晴らしくて、わくわくしながら封を切ったのですが・・・・・

ちょっとだけ、オケのアインザッツが痩せているのが気になりました。でも、まあ、アマオケですから、その点はあまりつかないでおきましょう。演奏って本当にスポーツですから・・・・・

そもそも、ナデージダは本当に素晴らしいオケですし、特に私は取り組む姿勢が好きです。

http://www.ac.auone-net.jp/~nadezhda/

そして、このステンハンマルは第2回演奏会の記録でもあります。

http://www.ac.auone-net.jp/~nadezhda/pastconcerts.html

こういった、あまり知られていないが音楽的には素晴らしい作曲家を取り上げて、世に問うというのはなかなかできる姿勢ではありません。合唱団でいえばかつての樹林だとかでしょう。そういった気骨のあるオケですから、多少の音の痩せは指摘はしますがそれ以上は触れないでおきましょう。

と、まず演奏面をオケだけ取り上げましたが、一端終えて楽曲の説明と参りましょう。ステンハンマルはスウェーデンの作曲家で、アルヴェーンと同年代になります。ドイツ古典派やロマン派から出発しましたが、後その路線から離れ北欧的な音楽を追求した作曲家です。

ヴィルヘルム・ステーンハンマル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%83%98%E3%83%AB%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%AB

このピアノ協奏曲第1番は、まだ彼が北欧的な路線へと舵を切る前の、1893年に作曲されました。そのため、とても後期ロマン派らしいロマンティックで甘い旋律が全体を支配しています。そのためか、不遇の扱いを受けています。1907年にピアノ協奏曲第2番が完成しますと、彼は第2番を売り込むために第1番をお蔵入りさせてしまうのです。そして、長らくスコアは埋もれてしまったため、しばらくは友人アッテルベリによる聞き書きスコアにより演奏されていましたが、1980年代になってスコアのコピーが見つかり、日の目を見たかのように原典版で演奏されるようになったのです。

何が彼をしてドイツ風から遠ざけさせたのかは、ブックレットやウィキには載っていませんが、世相だったのかもしれません。あるいは、そもそもブラームスの音楽に範を取っているということがそれを「ビルトイン」していたのかも知れません。このCDでは後期ロマン派の香りが高い作品しかないので何とも言えませんが、後の北欧的な作品も是非聴いてみたくなります。

このピアノ協奏曲第1番は実際とても個性的です。4楽章制を採りまるで交響曲のようでありながら、実際はしっかりとピアノ協奏曲となっているからです。こういった点は後期ロマン派の枠からすでに外れているように思いますし、それはまた、ブラームスピアノ協奏曲第2番を彷彿とさせます。ただ、ステンハンマルの第2番にも継承されています。

ピアノ協奏曲第2番 (ステーンハンマル)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E5%8D%94%E5%A5%8F%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%AB)

こういった点を考慮すると、私はブラームスの音楽がそもそも新古典主義音楽的であると言われるように、そもそも後期ロマン派の枠からある程度はみ出る音楽を理想としていたのではないかという気がしてならないのです。

そのせいなのか、演奏面でもなぜか抜けるような青空が、アマチュアの演奏であるにもかかわらずそこかしこに散見され、それが爽快感すら聞く者に与えます。ピアノもffからppまで縦横無尽で、とても豊かな表情を見せてくれます。

それはカップリングの3つの幻想曲、そしてパッヘルベルの「シャコンヌ」でも一緒で、できれば第8回の演奏会もこの丹さんがピアニストだったらなあと思ってしまいます(いや、第8回の浜野さんも素晴らしかったのですけれど!)。

このCDを聴きますと、地元宮前フィルもぜひともCDを・・・・・と考えてしまうんですけどね。アインザッツは決してナデージダに負けていないだけに、希望するところです。

実はステンハンマルは、国内でもナクソスとこの音源だけ販売されているとのことで、とても貴重な音源です。興味を持たれたかたは会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。わたしもできれば、第9回もききに行きたいと思っております。



聴いているCD
ウィルヘルム・ステンハンマル作曲
ピアノ協奏曲第1番変ロ長調作品1(オリジナル版)
3つの幻想曲作品11
ヨハン・パッヘルベル作曲(渡辺新編曲)
シャコンヌン ヘ短調
千尋(ピアノ)
渡辺新指揮
オーケストラ・ナデージダ(ピアノ協奏曲)



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