東京の図書館から、小金井市立図書館のライブラリを御紹介しています。ステンハンマルの交響曲第1番と第2番が収録された2枚組の第2回目は、2枚目の第2番他です。
ステンハンマルは、第1番を「撤回」していますから、公式には第2番のみがステンハンマルの交響曲だと言えます。たしかに、第2番になりますと、その世界が変ると言っていいと思います。
交響曲第2番 (ステーンハンマル)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC2%E7%95%AA_(%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%9E%E3%83%AB)
非ドイツ的というか、非後期ロマン派というのが、正しいところだろうと思います。少なくとも、古典派からの伝統を否定しているわけではありません。だからこそ第2楽章ではドイツ的な雰囲気もあるわけです。「鎧にくければ袈裟までも」というわけではないと言うことが、はっきりと分かる作品なのではないでしょうか。
むしろ、ステンハンマルは新古典主義音楽に影響を受けた一人だと言っていいのではと私は思っています。その典型的な作品が、カップリングのセレナーデだと思っています。じつは第2番と作曲時期は近く、ステンハンマルがどのような音楽を目指したのかが、より明確になっているように思います。
そういった二つの作品を、指揮するヤルヴィはしっかりと理解し、オケにならせているように思います。いや、オケと指揮者にもう暗黙の了解ができているかのようです。抑揚を抑えたとはいえ、それでも所々情熱を抑えきれない部分が散見され、じんわりと感動の渦に私達聴き手を巻き込んでいきます。正直言えば、もう少し感情を表に出してもいいのになあと感じることもありますが、それがステンハンマルの「言葉」なのであり、表現することに忠実であったとするならば、当然なのかもしれないと思います。
まだ作曲されて100年ほどですし、ようやくアマチュアオケを中心に日本でもコンサートピースに乗り始めている作品ですから、これからなのかもしれません。世界的に見てもステンハンマルがメジャーとは言い難いですし。そんな中で、ステンハンマルの「言葉」をどのように「翻訳」し、私達につたえるのか・・・・・もしかするとそれは母国スウェーデンのオケではなく、我が国のアマチュア・オケでこそ、実現するのかもしれません。私自身は、自分の行き過ぎた感情をふりかえるのにはもってこいの作品で好きですが、後期ロマン派にどっぷりつかっている我が国では、クルレンツィス同様、賛否両論が巻き起こるだろうと思います。
聴いている音源
ヴィルヘルム・ステンハンマル作曲
セレナーデ ヘ長調作品31
交響曲第2番ト短調作品34
ネーメ・ヤルヴィ指揮
エーテボリ交響楽団
地震および津波により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。同時に原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。
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