かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:C.シュターミッツ チェロ協奏曲集

今月のお買いもの、4つ目(都合5枚目)は前古典派の作曲家、カール・シュターミッツのチェロ協奏曲集です。

父も弟も作曲家という家に生まれた、チェコ人の作曲家です。父親がマンハイムの宮廷楽長になったことでドイツへ移り、彼自身も宮廷楽団で演奏し、その後ヴァイオリニスト、作曲家として活躍しました。

カール・シュターミッツ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%83%E3%83%84

実は彼を取り上げるのは2回目で、その時にはクラリネット協奏曲でしたが、今回はもともと本職とも言える弦楽器であるチェロのコンチェルトです。

今月のお買いもの:C.シュターミッツ クラリネット協奏曲第1集
http://yaplog.jp/yk6974/archive/582

この時にも触れましたが、ソナタ形式がはっきりしていますし、また、オケがまず主題を提示しその後独奏が再度主題を提示するという構成を取るので、誠に古典派らしい作品となっています。

チェロ協奏曲と言いますと、我国ではドヴォルザークのものが有名で、そのイメージで聴いてしまいがちですが、実は古典派のチェロ協奏曲は重々しくもなく、むしろ明るく青空が抜けるようなものです。

このシュターミッツのものも例外ではありません。特にそれぞれの第2楽章は甘い旋律が美しく、それでいて構成美も素晴らしい作品です。

それぞれプロシア王ヴィルヘルム2世に献呈された曲ですが、ヴァイオリンにヴィルトォーソ的な部分があります。ですので、ブックレットには成立年の記載がありませんが、1780代以降の作品のように思います。

こういった作曲家はこの時期のビッグネームであるハイドンモーツァルトといった作曲家に埋もれがちですが、実はハイドンが少しチェロ協奏曲を書いているほかは、古典派の三大巨匠は全く書いていません。それはこの三人はチェロの名手とも言うべき人が周りにほとんどいなかったことが原因だろうと言われています。

ところが、この三人以外を見てみると、実は多くの作曲家がチェロ協奏曲を書いています。チェロ協奏曲に恵まれたとも言うべき時代だったとも言えるでしょう。今回はシュターミッツですが、そもそも古典派にはボッケリーニというチェロ協奏曲を12曲も作曲した人が存在します(それについてはまた別な機会に取り上げます)。このように、実はチェロ協奏曲が数多く書かれた時代だったのです。

実は、古典派の時代は演奏者=作曲者であって、実に多くの素晴らしい演奏者がいた時代であったということは忘れられることが多くなっています。確かに、音楽的には古典派以後の作曲家が素晴らしいものを書いていますが、よくよく聴きますと、ソリストの部分は難しい旋律があったりして、しかも当時はカデンツァを即興で演奏するということもごく普通にあった時代で、質の高い演奏者が数多くいた時代なのです。

今ではさらに素晴らしい演奏者が多くなっているためその点は見過ごされがちですが、当時は演奏者が作曲者であったということは古典派の時代は留意すべき点です。

このシュターミッツでも、カデンツァはなく実は演奏者によって「作曲」されています。その点からも、この作品が初演時カデンツァが即興で演奏されたのであろうということがうかがえます。

こういった作曲者を取り上げてくれるレーベルは、たいていナクソスブリリアント・クラシックスと相場はきまって(?)いるようなものですが、今回もご多分に漏れずナクソスです。ネット通販だとほかにもいくつかあるようですが、まだまだ録音が少ないと思います。美しい低弦のふくよかな響きは素晴らしいので、もっと取り上げてほしいものです。実際、シュターミッツもこの3つだけではないようですし、ナクソスにはさらに期待したいところですが、これが亀の歩みのようなときもありますから・・・・・

シュターミッツは以前から私も注目し追いかけている作曲家でもありますので、今後も取り上げたいと思います。



聴いているCD
カール・シュターミッツ作曲
チェロ協奏曲第1番ト長調
チェロ協奏曲第2番イ長調
チェロ協奏曲第3番ハ長調
クリスティアン・ベンダ(チェロ)
プラハ室内管弦楽団
(Naxos 8.550865)



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