かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:昭和音大の「モダンのメサイア」

今回のマイ・コレは、とても貴重な、本来私が手に入れられるはずがないものをご紹介します。昭和音大恒例のメサイアのCDです。

なぜこれが本来手に入れる筈がないものなのかと言いますと、非売品だからなのです。ところが、実際に箱根駅伝に出場もする大学出身の私の手元にあります。これは地元のブック・オフで500円で購入しました。

実は、県立図書館で借りてリッピングするようになりまして、ブックオフはほとんどというほどのぞかなくなりましたが、以前は結構覗いていたものです。何しろ、CDが格安なのですから・・・・・

まだ、ナクソスが出始めたころはクラシックCDはどんなに安くても1000円を切るということはよほどのものでない限りあり得ませんでした。それが、ブックオフであれば500円程度でも買えるのですから・・・・・

実際は、いいものはやっぱり1000円ちょっとしましたが、ナクソス以外の、たとえば名演とも言うべきものが1000円ちょっとで買える可能性があったわけです。そりゃあブックオフにも顔を出しますよ、ええ。

しかし、なんでこういったものをブックオフに出したのだろうと思います。確かに演奏としてはちょっとだけ?な点もあるのも事実なんですが、たとえば私はよほど困窮しない限り、自分の思い出の品を売りに出すなんてことはしません(実際、合唱団の定期演奏会の記録はすべて取ってあります)。それがブックオフにあったということは、売りに出したということなのですから。

一体ブックオフが買い取った値段はいくらなのかって思います・・・・・とにかく、状態は購入時とてもよかったです。

さて、このCDをなぜ買ったかと言えば、その値段もさることながら、当時モダンのメサイアの演奏がなかなか手に入れにくかったという点があります。ピリオドばかりで、モダンの演奏は全くと言っていいほど手に入れることが出来ない中で、ブックオフで見つけたのがこのCDだったのです。

そもそも、昭和音大が年一回のペースでメサイアを演奏していることは当時知っていました。ただ、その演奏が聴けるなんてことはないだろうと思っていたのです。学内の発表会の延長線上であることがこういうものは多く、実際当時そういった演奏会だったからです(今で少し様子が異なり、自前のホールを持ってからは逆に公開するようになりました。それに資力された方のおひとりが当時川崎商工会議所のメンバーだったさいか屋の会長様であることは知られていませんが)。

http://www.tosei-showa-music.ac.jp/concert/index.html

当然、演奏はモダン。ならば買いましょうということで買ったのがこのCDでした。

ただ、この演奏はある意味本当に「モダンな」演奏です。第2部と第3部にメサイアは慣例により演奏しない曲がありますが、それを慣例通り演奏していないのです。

http://homepage3.nifty.com/oma/messiah/kaisetsu.html

上記サイトはICUの演奏をもとに作られていますが、この昭和音大の演奏も基本的にそのサイトのICUと同じです。大抵、モダンの演奏ではいくつかが慣例通りに省略されることが多いのです(実際、第3部の最終曲、つまり全体の大トリである「その血によって屠られたる子羊たちは」は途中を省略していいことにさえなっています。さすがに昭和音大はそこまで省略していませんが)。

メサイアヘンデルの生前にいろんな演奏形態が存在することから、以前BCJの演奏を取り上げた時にどの版を使うのかがとても重要だと言いましたが、この昭和音大の演奏はまさしく、現代普通に演奏されるときにはこんな感じですよというものを呈示してくれています。それゆえに、CD1で第1部、CD2で第2部と第3部ときちんとまとまっているのはありがたいことです。

しかし、省略されている部分もあることから多少の不満もあるのも事実です。省略なしのモダンでの演奏も聴いてみたいものですが・・・・・もしかすると、元所有者はそれが手に入ったのかもしれませんし、また別な学内演奏の記録を持っているのかもしれません。いずれにしても、ある意味現在の基準点としての演奏が今私の手元に存在します。

ただ、いずれはモダンでの演奏で省略なしのものが聴いてみたいという希望は以前から持っています。現在はモダンの演奏が極端に少ないのでなかなかその希望は達成されていませんが・・・・・図書館で見つけるというのも、リッピングの際面倒ですが一つの選択肢だと思っています。

演奏面では、ソリスト達はプロとしては及第点だと思います。問題は合唱団ですが、音楽大学の合唱団としてはまあこんな感じなのかな?って感じです。テノールが少し辛そうです。それ以外は結構評価できる演奏ではないかと思います。さすがアマチュア合唱団が陥るような失敗は全くしていませんので、安心して聴いていられます。特にハレルヤ・コーラスは力強く、まさしく復活の歌声にふさわしいものです。

そして、オケ。軽めのその演奏はとても素晴らしいと思います。まさしくマウンダー極少期を抜けた直後のヨーロッパの明るい希望に満ちた様子がよみがえってくるようです。こういった点が、ちょっとだけリヒターにはかけているかなという気がします。

私はこの演奏を一つの記録として、そして現代の演奏の基準点として、大切に持っていようと思います。

さて、母校の合唱団は今年どんな演奏を見せてくれるのか、楽しみです。といっても、それはK.572なんですが・・・・・



聴いているCD
オルグ・フリードリッヒ・ヘンデル作曲
オラトリオ「メサイア」全曲
五十嵐郁子(ソプラノ)
大藤裕子(アルト)
早瀬一洋(テノール
三浦克次(バス)
昭和音楽大学合唱団
昭和音楽芸術学院合唱団
カール・マルティン指揮
昭和音楽大学管弦楽
(非売品のためCD番号等なし)



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