かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ハイドン バリトン三重奏曲集2

今月のお買いもの、今回はハイドンバリトン三重奏曲集の2枚目です。エステルハージ・アンサンブルの演奏です。

バリトンという楽器は珍しいので、どういうものなのか、ウィキのリンクを再掲しておきます。

バリトン (弦楽器)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%AA%E3%83%88%E3%83%B3_(%E5%BC%A6%E6%A5%BD%E5%99%A8)

ヴィオラ・ダ・ガンバに属する楽器で、要するに今日のコントラバスに近い楽器なのですね。演奏するときに弦を抑えている指を抑えるだけでなくはじくこともしなければならないことから演奏が若干複雑で、それがすたれてコントラバスへと取って代わられた楽器であると言えるかと思います。

そういった楽器をなぜハイドンが使ったのか・・・・・理由は昨日も申しましたがシンプルです。彼が使えていたエステルハージ公が好み、ハイドンに作曲するよう指示したから、です。

この第2集に収められている曲は順番に第39番から第45番までですが、実はすべてニ長調です。その理由もじつは単純で、もともとバリトンニ長調の楽器だからなのです。

バリトンエステルハージ侯、つまりニコラウス1世が演奏した楽器でもあります。そういった点もこの第2集には含まれているのかなと思います。正確な説明がないのが残念なのですが、ニ長調がこの楽器の本来の調性であるということを考えた場合、演奏しやすいようにニ長調の曲も用意したと考えるほうが自然です。

では、昨日の第1集に他の調性が混じっていたのはなぜかと申しますと、それもニコラウス1世の指示なのです。ニ長調以外の調性でも作ってみせよとの仰せで、ハイドンが作曲してみせたのがそれ以外の調性の曲なのです。

そういった込み入ったことはこのサイトのほうがよく説明されています。というより、私はこのサイトに巡り合ったことから、このバリトン三重奏曲が聴きたい!と思ったのです。

ハイドン復活実行委員会
http://www.haydn2009.jp/home.html

そのうち、バリトンの説明は以下のページになります。
http://www.haydn2009.jp/baryton3/baryton3.html

もともとニ長調の楽器で、それしか鳴らすことができないとされたバリトンの曲に、他の調性でも作ってみせよというのはかなり酷な要求ではあると思いますが、しかしハイドンはその要求にこたえてみせました。そういったハイドンの努力の跡が、このバリトン三重奏曲にはあるわけなのですが、しかし聴く曲にはそんなことを私たちはみじんも感じることができません。それこそ、ハイドンの能力の高さを証明するものでもあるわけなのです。

なるほど、これがモーツァルト事典である学者が述べていた、ハイドンも聴けということなのだなあと、今は思います。実はバリトン三重奏曲はそれぞれとても短く(これも侯爵の指示になります)、それはモーツァルトにも勝るとも劣らない能力だからです。

演奏は昨日も述べましたが、高いレヴェルのアンサンブルなので、とても「普通に」聴けてしまいます。適度でしっかりとしたアインザッツも、BGM代わりに聴いていてもその場に上品さが拡がっていくことに貢献しています。

これぞ古典派の時代に好まれた音楽というものなのだなと思います。それにしても、エステルハージ・アンサンブルはこの難しい楽器をいとも簡単に操り、それをいきなり高いレヴェルの演奏として実現させるものだなあと思います。



聴いているCD
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
バリトン三重奏曲第39番ニ長調
バリトン三重奏曲第40番ニ長調
バリトン三重奏曲第41番ニ長調
バリトン三重奏曲第42番ニ長調
バリトン三重奏曲第43番ニ長調
バリトン三重奏曲第44番ニ長調
バリトン三重奏曲第45番ニ長調
エステルハージ・アンサンブル
(Brilliant Classics 94022/2)



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