神奈川県立図書館ハイドン交響曲全集の今回は第32回目になります。収録曲は第97番と第98番の2曲です。
今回も以下のサイトとウィキを参照しています。
ハイドンの交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn
まず、第97番です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-97
ウィキの解説はこちらになります。比較しますと面白いですね。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC97%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)
1792年の作曲です。どちらも基本的には同じ結論になっていると思いますが、楽曲の安定感が抜群です。転調もハイドンらしさを失わずに素晴らしいものになっていますし、地味ですがきらりと光る楽曲です。
特に第4楽章の構造が素晴らしく、モーツァルトに引けを取りません。なぜモーツァルトがハイドンを慕ったのか垣間見えるように思います。それだけのものをもともと持っているということでもあるのですね。
次に第98番です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-98
ウィキではこちらになります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC98%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)
これも1792年の作曲です。この曲の特徴としては、最終楽章にチェンバロが入るという点でしょう。低音部としてですが、この時期の作品に入るのはとても珍しいと思います。
時代を確認してみましょう。実はモーツァルトは前年の1791年2月に亡くなっています。そして、ベートーヴェンが交響曲第1番を完成させたのが1800年です。モーツァルトの最晩年の交響曲、たとえばジュピターなどや、ベートーヴェンの第1番や第2番ではチェンバロの指定がないどころか編成に入っていません。
そういった時代を考えますと、チェンバロが入っているというのはとても珍しいことだと思います。
ただ、それが時代を下って、後期ロマン派以降、現代音楽においてピアノが入るきっかけになっているとすれば、ハイドンの音楽が与えている影響はとてつもなく大きいとみるべきでしょう。シマノフスキやスクリャービン、ショスタコーヴィチなどの作曲家がなぜ交響曲にピアノを取り入れたのか。それを考えるときに、ハイドンの影響を抜きには考えられない部分があります。
音楽を語る時、私たちはどうしてもその印象だけで終止しようとしてしまいます。それはそれでいいことなのですが、そのことによって抜け落ちてしまうものも確かに存在するのです。それがたとえば、なぜ交響曲なのにピアノが使われているのかといった場合の考察に現われてくるわけです。
ハイドンの音楽はこういった点も考えさせてくれます。
聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第97番ハ長調 Hob.I-97
交響曲第98番変ロ長調 Hob.I-98
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリカ
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