かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン交響曲全集26

神奈川県立図書館所蔵CDハイドン交響曲全集の今回は第26回目。第82番から第84番までが収録されています。

今回は以下のサイトとウィキを参照しています。

ハイドン交響曲
http://www.kanzaki.com/music/mw/sym/haydn

このあたりからは「パリ交響曲」とよばれます。ハイドン交響曲が新しいステージに入ったことを意味します。実際、このサイトでも「パリ交響曲」期としています。普通、「古典的完成」と呼ばれます。この期は「パリ交響曲」と「トスト交響曲」、「ドニィ交響曲」と言われるものが含まれますが、いづれもパリにおいて演奏されるために書かれたものなので、「パリ交響曲」期と呼ばれます。

まずは第82番「熊」です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-82

1786年の作曲です。「熊」の名称はのちに第4楽章冒頭の低音部が熊の鳴き声に似ていることからつけられたもので、ハイドン自身が付けたわけではありません。

交響曲第82番 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC82%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

上記サイトの備考欄でホルンもしくはトランペットとなっている理由はウィキのほうが詳しく出ています。指定ホルン(High-C管)の音域がトランペットと一緒だからなのです。ですので、トランペットが使われることもありますが、この音源ではホルンが使われています。

それにしても、躍動する第1楽章に、長音と単音をうまく組み合わせている第4楽章と、各々急楽章は聴きどころ満載ですが、それをこの演奏では端正に仕上げているのはとても好感が持てます。こういった演奏をモダンでもっとすれば、ハイドンの評価はもっと上がるのではないかと私は思っているんですけどねえ。

第4楽章はそういった意味でも、注目すべき楽章だと思います。モーツァルトと知り合ってからのハイドンは、その限界も感じながら、でも自らの独創的な音楽を生み出すことをあきらめない姿勢が顕著になっているように私には思われます。特にその点が見られるのは偽終止で、おや、終わったのかな?と思ったら、実はまだあった、といういかにもハイドンらしいことをやってのけています。

なお、今までもそうでしたが、この曲は「パリ交響曲」期の一番初めではなく、4番目の作品です。ウィキでは番号順で「1番目」となっていますが、作曲順では4番目の作品となります。その点、お間違えのなきよう。

次に第83番「雌鶏」です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-83

1785年の作曲です。これぞ「パリ交響曲」期の第1作目となるのです。その点、番号順で述べているウィキとは異なりますのでご注意ください。

交響曲第83番 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC83%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

さらにウィキでは、ご丁寧に「作曲順では3番目」という記述があるのですが、何をもって3番目としているのかが分かりません。どうやら「ハイドン交響曲の一覧」を見てみますと、いくつかの作曲年が異なっているようですね。その点、いつも参照しているサイトは作曲年順で並んでいるので明解です。こういった点からも、私はハイドンのこの特集をする時、このサイトを主に参照しますと言ったわけなのです。

しかし、中身の詳しい説明はウィキのほうが丁寧だと思います。と言っても、その名称の由来が書いてあるだけですけどね・・・・・楽譜が載っている「ハイドン交響曲」サイトに較べれば、専門性は落ちると言わざるを得ません。このあたり、本当にハイドンは冷遇されていますねorz

この曲は特に第1楽章に特徴があります。まず、名称の由来となった、雌鶏の鳴き声のような音型がありますし、さらにこの楽章は転調がとてもモーツァルト的なのです。明らかにモーツァルトの音楽を取り入れようとするハイドンの姿勢の現れです。その上で、自分の音楽になっているのがハイドンの素晴らしい点です。

すでに熟年の域に達しているハイドンが、そういったことをやるのですから、脱帽です。

最後に、第84番です。
http://www.kanzaki.com/music/perf/hyd?o=Hob.I-84

1786年の作品です。これはウィキの一緒のようですが、しかしこれだけ諸説あるのであれば、どの説によっているかぐらいは出すべきだと私は思うんですけどねえ。

交響曲第84番 (ハイドン)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC84%E7%95%AA_(%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3)

演奏機会は少ない曲ながらも、全体的にはとても美しい形式美を誇る作品で、このモダン演奏の端整なアプローチはとてもその魅力を引き出していると思います。その意味では、カラヤンが振っているというのは驚きです。大指揮者と言われている人でもハイドンを振っているひとはわずかですが、その中にカラヤンがいるというのは、カラヤン音楽史の考え方を垣間見るような気がします。しかもオケはもちろん、ベルリン・フィル

モダンオケ、もっと頑張ってくれ〜

第1楽章のラルゴからアレグロへの音楽は、美しいという言葉では表しきれない美しさだと思います。

そう考えますと、ドラティという指揮者の素晴らしさをかんじざるを得ないのです。



聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
交響曲第82番ハ長調「熊」 Hob.I-82
交響曲第83番ト短調「めんどり」 Hob.I-83
交響曲第84番変ホ長調 Hob.I-84
アンタル・ドラティ指揮
フィルハーモニア・フンガリ


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