かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ハイドン スターバト・マーテル

今月のお買いもの、4枚目はハイドンスターバト・マーテル(悲しみの聖母)です。

ハイドンのスタ・バトは珍しいなあと思い買い求めました。何しろ、図書館で借りましたミサ曲全集はいまやハイドンの宗教音楽全集と名を変えて、さらに充実されて出ているのですから・・・・・

図書館でミサ曲はそろえてしまった私としましては、ミサ曲以外は買いそろえるしかないわけで(図書館にはさすがにミサ曲以外がありません)、今月も安い何かがないかなと思っていましたら、銀座山野楽器本店でこのブリリアント・クラシックスのものがありました。

スターバト・マーテルは以前ありましたコーナー「友人提供音源」でドヴォルザークを、これもかつてあった「今日の一枚」でロッシーニのものをとりあげていますが、今回はそれに続いての登場となります。

スターバト・マーテルは簡単に言えば、イエス磔刑後のマリアの嘆きを思うもので、13世紀に成立したと言われています。

スターバト・マーテル
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%86%E3%83%AB

歌詞の内容は上記ウィキに出ている通りです。それを淡々と順番に歌ってゆくことになります。

とくに、このハイドンではその淡々とした点が特徴であって、あまりドラマティックではありません。ハイドンが重病から癒えたことをきっかけにしているせいなのかもしれません。

ネットで検索しますと、けっこうピリオドの演奏が出ているようですが、これはモダンの演奏です。室内オケを使っているせいか、モダンでもすっきりとした演奏になっています。そして合唱もアンサンブルが素晴らしいですし、また高音域がとても伸びやかで、全体的なバランスも申し分ないものです。

唯一ドラマティックな、11曲目のFlammis ne urar succensus(怒りの火に燃やされることなきよう)はいわゆる最後の審判にかかわるもので、ミサ曲で言えば怒りの日ともいえる内容です。そのせいでしょうね、激しいのは。しかしその後また淡々とした音楽へと戻ってゆきます。

最後は堂々としたフーガで、paradisi gloria. Amen(栄光の天国を与えてください。アーメン)をくり返すだけです。しかしその堂々としたフーガは、すでに時代は古典派であるということをしっかりと認識させてくれます。成立は1767年。え、つまりようやくエステルハージ家に仕え始めた時代・・・・・交響曲では「疾風怒涛期」に当たる作品群を書いていた時代です。この時期にはすでにハイドンは4楽章の交響曲が主で、3楽章のものはほとんど無く、唯一26番だけです。そんな時期に書かれたのがこのスタ・バトであるわけなのですが、それを表現するのに、モダンというのは実に適切だったと私は思います。堂々としたその作風は、モダンのほうが味がでるように思うのです。スターバト・マーテルが持つ宗教的な心の陰影を、実に適切に表現していると思います。

フーガも実に素晴らしいもので、モーツァルトのレクイエムと双璧をなすものではないかと私は思いますし、ブロガーの中でも同じように思われている方も多いようです。

繰り返し聞いても全く飽きがきませんし、BGMとしても上質です。その上でしっかりとスタ・バトの精神も反映している・・・・・これが軽薄なのか?と疑問を呈せざるを得ません。

やはり、ハイドンは軽薄というのには、何か裏がありそうです。



聴いているCD
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
スターバト・マーテル Hob.XX:bis
クリスチーナ・ラキ(ソプラノ)
ジュリア・ハマライ(コントラルト)
クリエス・H・アーンシヨー(テノール
リヒャルト・アンラウフ(バス)
シュツットガルト室内合唱団
リーデル・ベルニウス指揮
ヴュルテンブルク室内管弦楽団
(Brilliant Classics 93949)



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