かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:マンドリン協奏曲名演集

「今月のお買いもの」の今月二つ目は、マンドリン協奏曲集です。横浜関内「プレミア・ムジーク」で買い求めた一枚です。

マンドリンはとても珍しい楽器ではありますが、実は日本では大学を中心に結構メジャーな楽器です。私の母校にもマンドリンオーケストラがありましたし、その団員とは実は同じクラスでした。そういった関係もあり、私はマンドリンという楽器には親密感がありまして、今回このCDを買い求めた次第です。

さて、マンドリンと言って、皆様はどんなイメージを浮かべるでしょうか?え、ウクレレみたいなやつ?まあ、形状は似ていますが・・・・・

マンドリン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%B3

上記ウィキペディアにも記述がありますが、マンドリンにはいくつか種類がありまして、このCDで使われているのは「クラシックマンドリン」(正確にはその中の「バロックマンドリン」)になります。もともとは世俗音楽で使われていた楽器でして、この楽器を取り上げた曲をオルランドゥス・ラッススも合唱曲で書いています(「マトナ・ミア・カーラ」)。それくらい、特にルネサンス期ではメジャーな楽器でした。

バロックでは特に有名なのはヴィヴァルディでして、このCDでも2つ収録されています。まずはそのヴィヴァルディのマンドリン協奏曲ハ長調RV425です。この曲、一度は聞いたことがあるかと思います。実は私もこの曲がヴィヴァルディだったというのは初めて知りまして、自分の知識の薄さを恥じるばかりです。某カメラメーカーがCM曲として使っていまして、それで特に有名になった曲です。軽快なマンドリンは聴いていますとまるで地中海の昼下がりにいるかのような錯覚を起こします。じつはとても短い曲で、全部で7分ほどしかありませんが、協奏曲の急〜緩〜急の形式がはっきりとしていて、特に秀逸なものです。

第2曲目はバルベッラのマンドリン協奏曲ニ長調。これも協奏曲の形式がはっきりしている佳曲です。軽快なそのマンドリンの音色はまるで何かが転がっているようで楽しく、でも気品あふれる一曲です。

その次の第3曲目はセレーレのマンドリン協奏曲イ長調。ここまではヴィヴァルディ以外は初めて聞く名前ばかりですが、その音楽のクオリティは素晴らしいの一言です。このセレーレのものは最終楽章がグラツィオーソ(優美に)になっていて、聴いている範囲内では決して急楽章ではありません。かといって緩徐楽章でもないですし、このあたり珍しいものですが、それが全く違和感ないのが素晴らしいです。これがバロックなのかもしれませんね。

第4曲目はカントーネのマンドリン協奏曲です。CDには調性が書かれていませんが、長調であることは間違いありません。正確な調は楽譜を見ていないので何とも言えませんが、聴いている範囲内ではハ長調もしくはヘ長調の感じですね。生年および没年不詳で、18世紀の作曲家です。速度指示ということでは形式的に協奏曲の基本をわきまえていますが、かといって実際はそれほどテンポは速いものではありません。全体的にゆったりとした演奏になっていまして、アレグロアダージョの差がそれほどないのが面白いです。しかし、まるでイタリアの青空が想像できるようなその音楽は癒されるくらいです。第3楽章でようやく急楽章らしいものが出てきます。

第5曲目はランベルティのマンドリン協奏曲です。これも調性不詳で、さらにこの作曲家も生年没年不詳とCDには記載されています。第1楽章はアレグロモデラートとあるようにややゆったり気味に入ります。しかしオーケストラは比較的動き回るもので、その点が急楽章らしいところです。そのほかの楽章は基本通りです。それにしても、それぞれの楽曲の質の高さと言ったらありません!

第6曲目はジュリアーニマンドリン協奏曲。まず第1楽章が「マエストーソ(荘厳に)」となっているのが特徴です。通常ならアレグロになるはずですが、そうは来ないのが珍しいです。とは言え、マンドリンは結構動きまわていまして、事実上のアレグロモデラートって感じです。この人は詳しい説明がなかなかないですが、以下のブログに見つけましたので、ご参照ください。ヴァイオリンとの関係から、書いておられます。これはなるほどな〜と思いました。

ヴァイオリンとマンドリン − 「共犯者にして好敵手」
http://blog.zaq.ne.jp/Kazemachi2/article/522/

いずれにしても、その音楽性はとても気品あるもので、高貴ささえ感じます。特に第2楽章の短調はドラマティックな面さえ覗かせます。

第7曲目は再びヴィヴァルディ。「二つのマンドリンのための協奏曲」ト長調RV532です。これはご夫婦でのアンサンブルとなっています。

越智敬
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%8A%E6%99%BA%E6%95%AC

こんなに素晴らしいソリストが日本人でいたのかと思いますと、軽快なマンドリンの音も何かしら胸が締め付けられる感じがします。ヴィヴァルディのこの曲も協奏曲の基本に忠実ですが、それだけでなく何かしらの気品を讃えていまして、全く聞き飽きません。演奏がそう思わせるのかもしれません。端正なその演奏は、心地よさがとても素晴らしいものです。二つのマンドリンが奏でる軽やかで気品ある世界・・・・・

マンドリンも、いいですねえ。



聴いているCD
ヴィルトォーゾ・ヴァイオリン・コンチェルト
シルヴィア越智(マンドリン、二つのマンドリンのための協奏曲)
越智敬(マンドリン、ヴィヴァルディ)
ポール・クエンツ指揮
オルケストレ・デ・シャンブレ
ウーゴ・オルランディ(マンドリン
ヴィットリオ・アントネッリーニ指揮
イ・ソリスティ・アクゥイラニ
(Universal eloquece 480 2624)



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