かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今月のお買いもの:ブラバン!甲子園4

今月のお買いもの、まず一枚目は「ブラバン!甲子園」の第4集です。橘直貴指揮、東京佼成ウィンドオーケストラです。吹奏楽を買ったのは本当に久しぶりです。いずれマイ・コレでご紹介するモーツァルトのディベルティメント以来ですから、もう十数年ぶりです。

これを買いました理由は実はとても単純でして・・・・・それは、10曲目に母校の応援歌が収録されている、ということなのです。といってもこのシリーズ、ずっと欲しかったものでもあったのです。有名な高校野球の「コンバット・マーチ」がたくさん収録されていますから、家に居ながら、甲子園の雰囲気を味わうことが出来ます。

この第4集では何曲かが組になっていまして、それが各「回」の「表」「裏」となっているんですね。文字通り、試合の様相を呈しているわけなのです。

まず、一回の表がボギー大佐。これは吹奏楽ではもう定番ですよね。マーチ集には必ずと言っていいほど収録されています。私が持っている自衛隊のマーチ集には収録されていませんでしたが、かつて売られていたそのパート2には収録されていました。だれですか、「サル〜ゴリラチンパンジ〜♪」なんて歌っているのは!それは替え歌ですから〜^^;。「裏」はアダムズファミリー。映画のテーマ曲でもありますが、最近では球場で初めて聴いたという方も多いと思います。映画も楽しかったですね〜。

2回の表裏は「君の瞳に恋してる」と「テキーラ」。これも最近の高校野球では定番のコンバットマーチになりました。「ダッシュKEIO」(1に収録)なんて、ほとんどやらなくなってしまいましたね〜。なお、ダッシュKEIOは1にだけでなくスピンオフの「ブラバン六大学」にも収録されています。

3回の表裏は「熱視線」と「天国と地獄」です。「熱視線」は10年くらい前からスタンダードになりましたね。アルプススタンドが楽しくなる曲で、実際私も社会人になって選抜の応援に行ったとき、スタンドが盛り上がっていました。もともとは安全地帯のヒット曲です。いっぽう「裏」の「天国と地獄」は高校野球で使われる前は運動会の定番ですね。そちらはフルオケで、もともとオッフェンバックオペレッタの序曲です。それが吹奏楽になっても遜色ないのですから、佼成ウィンドの実力の程を知ることが出来ます。

4回の裏表は「サンダーバード」と「大脱走」です。サンダーバードは言わずと知れたイギリスの人形劇番組のテーマ曲。私もほぼリアルで見ていた世代です。いわゆる「国際救助隊」が活躍するものですが、選手がピンチに置いてまさしく「サンダーバーズ、ア、ゴー!」という高揚感を与えるように思います。大脱走はもともと此れも同名の映画のテーマ曲。名作ですね。ナチスにとらわれた連合国軍の兵士が自由を求めて脱走するという映画で、いまだに人気があります。これもチームを盛り上げるのに十分です。

5回の裏表は「雨上がりの夜空に」と「日大三高第三応援歌」です。まず、雨上がりの夜空にですが、これはロッカー忌野清志郎RCサクセション時代にヒットさせた名曲です。原曲は実はとても切ない歌詞をアップテンポで歌うことでさみしさを吹き飛ばそうというものなのですが、これが収録された理由は彼の出身校、都立日野高校清志郎亡き後野球部の応援(西東京大会等)で使ったのがきっかけのようです。原曲も私は大好きですが、これを使うなんて粋ですね!編曲も原曲の雰囲気を残しつつ吹奏楽していて、これを高校生が演奏するのかと思いますと、大先輩への尊敬の念を感じます。そして、日大三高第三応援歌ですが、私の母校、日本大学第三高等学校には応援歌が3つあります。そのうち、チャンスのときに歌われるのが第三応援歌です。このCDでは演奏だけですが、実際には以下の歌詞が付きます。

血潮湧き立つ歓喜に燃えて
打てよ守れよ大地は叫ぶ 叫ぶ
双手(もろて)を挙げて
今ぞ称(たた)えん
我等が三黌

これを歌うときはスタンドは大盛り上がりです。よし、行け!って感じになりますから、意気揚々としてきます。本当はほかの二つも聴いていただきたいくらい、どれも楽曲としても素晴らしいものなのですが、この第三応援歌はよく聴いてみますと、アップテンポの通奏低音に長音を用いたメロディになっていまして、モーツァルト以来の伝統に即しているんですね。実は、日大三高明治神宮野球大会で昨秋優勝しまして(斉藤君がいた早稲田大学の陰で扱いは小さかったのですが^^;)、今年の選抜に出場がほぼ決まりました!ぜひとも、日大三高の古風な応援歌を堪能していただければと思います。このCDの第三応援歌は、前奏もついていて、三高生OBにとってはとてもありがたい演奏となっています。

ここでグランド整備。かかる曲はディズニーランドのエレクトリカル・パレードで人口に膾炙している「バロック・ホークダウン」です。とてもきらきらしていますね。私もそのパレードは大好きなのですが、これがかかりますと、甲子園なのかディズニーランドなのかわからなくなってしまうのは私だけでしょうか?

6回の表は安里屋ユンタ・島人ぬ宝・島唄のメドレーです。つまり、5回裏と6回表はこのCDが出た年(2010年)の選抜大会の決勝に残った2チーム(東京:日大三高、沖縄:興南、優勝は興南高校)のコンバット・マーチを収録しているわけなんですね。この沖縄メドレーは沖縄の学校が出てくるときにはいつもかかりますから、おお!という方も多いかと思います。安里屋ユンタは民謡ですが、ほかの2曲はポップス。どちらもヒット曲で、聞き覚えのある方も多いかと思います。

6回の裏はこんどは北海道へと飛び、「北の国から〜遥かなる大地より〜」と「大空と大地の中で」です。失われた10年がもたらした正の部分、それは北海道の高校のレヴェルアップでした。誰が南北海道代表が優勝するなんて想像したでしょうか?そんな大会も出てきたのが最近の傾向です。いずれ、東北の学校が優勝する日も来るでしょう。それを意識したような選曲ですね。「北の国から」はもちろんあの素晴らしいドラマの主題歌ですし、「大空と大地の中で」は松山千春のヒット曲です。「北の国から」は北海道日本ハムファイターズも使っていますね。

6回から裏表に「分けて」いるのも特徴です。高校野球では6回あたりから試合が動くことがしょっちゅうです。8回はもう何が起こるかなんてわかりません。それは高校生が故のドキドキ感(体力等)ですし、それを表現するこの構成、まるで甲子園ですね〜。

7回も表と裏に分かれています。まず表は「錨をあげて」と「オオカミ少年ケンのテーマ」、そして「ガッチャマンのテーマ」です。「錨をあげて」はアメリカ海軍の公式曲となっていまして、海上自衛隊の「軍艦行進曲」に相当します。ただ、この曲は最近高校野球ではあまり耳にしなくなったようにも思います。軍艦だけでなく、いわゆる「抜錨」は客船でもわくわく感はあるものなので(別れではない場合)、もっと演奏されてもいいように思います。この曲も自衛隊の演奏でかつて出ていたマーチ集のパート2に収録され、タイトルにもなっていました。「オオカミ少年ケンのテーマ」は私たちの世代では結構それで通りますが、今の方ですとガムのCMで知っているという人も多いでしょうね。ガッチャマンのテーマはもうわたしの世代では血わき肉躍るものですが、同世代の方なら、この曲はよく替え歌にしましたね〜。だれですか、「黒いめーだまーのお、パンダちゃーん♪」なんて歌っているのは!(そう、これが替え歌です)ただ、この演奏は佼成ウィンドの実力が如実に出ていまして、金管がテヌートしているんですよね〜。これだけ歌っているガッチャマンはそうそう聴けません。もちろん、そのアインザッツはばっちりです!

7回裏はVABRATIONSとカチューシャ、そして「どっかーん」です。VABRATIONSはフジテレビ「プロ野球ニュース」でもファインプレーの場面でよく使われている曲です。どっかーんはテレビ朝日の某ニュース番組でやはり同様のシーンで使われていたもので、いつしか甲子園での定番になりました。この2曲はファインプレーと言えば定番ですしね。カチューシャは原曲は有名なロシア民謡ですが、この曲は最近使われていないように思いますが、どうなんでしょう?私も社会人ですからすべての試合が見れるわけではないので、断定はできません。

8回表はまず「エイトマン」。同名のアニメのテーマ曲で、それも気分を高揚させてくれますが、使用されるようになったきっかけは、現読売ジャイアンツ監督、原辰徳氏が現役時代背番号が8だったことから、ジャイアンツ応援団が使い始めたものです。もともとは昨シーズン途中まで東京ヤクルトの指揮を執っていた高田繁氏が背番号8で、彼のコンバット・マーチでもありました。しかし有名になったのは間違いなく原監督の現役時代で、そこから広く高校野球で使われるようになりました。ちなみに、巨人軍の選手のコンバットマーチ高校野球でも使われるようになった選手に、中畑清氏のものがあります(「おーまえもおとこなら、ここでいっぱつきよし!」です)。つづくのは「狙いうち」。原曲は阿久悠氏作詩で山本リンダが歌ったヒット曲。小学校時代、これをうたわないと流行おくれなんて言われたものです。その後彼女が同曲でリバイバルを果たしてから、高校野球でも使われるようになりました。それまではむしろピンクレディーの「サウスポー」のほうがメジャーだったように思います(それは今でもメジャーですけどね)。詳しくはウィキペディア狙いうち」の稿のほうが詳しく出ています。

8回裏は「バンビーナ」と「西部警察PART�UBGM」です。バンビーナは最近よく使われますね。私もこの曲は高校野球コンバットマーチで初めて知った曲です。西部警察は私が幼いころみていたドラマで、所謂「石原軍団」のドラマ。PART1とPART2と二つありまして、私もこのパート2のものが好きなのですが、パート1も結構いい曲です。機会がありましたら聴いてみてくださいませ。

9回表はまず「ルパン三世のテーマ’78」です。いわゆるルパン三世’78と言われている曲で、アニメ「ルパン三世」のテーマ曲として長らく使い続けられている曲です。まるでルパンがやすやすと盗んでいくかのように、チャンスを生かしてくれ!という想いが伝わってきます。特に試合ですとノーアウトあるいはワンナウトランナー1塁もしくは2塁で、盗塁のチャンス!なんて時にはまさしく気持ちが湧き上がってきますね。つづくのもまさしく同じようなシチュエーションではもってこいの映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」のテーマ。

9回裏はいよいよ佳境です。まず演奏されるのは「喜びの歌」。そう、原曲はベートーヴェン交響曲第9番「合唱付き」です。第4楽章のあのフレーズが使われていますが、一番有名なのは東海大学の付属校が使っているヴァージョンだと思います。このCDに収録されているは主に練習番号Mの部分ですが、例えば、神奈川県の東海大学付属相模高校の場合は、最後の合唱「抱きあえ!幾百万の人々よ、この口づけを全世界に!」の前奏部分であるオーケストラの部分、851小節プレスティッシモをほぼ854小節までを使ってコンバットマーチにしています。東海大相模の場合、第九がかかるときはチャンスのシーンです(日大三高の第三応援歌と同じです)。その次がウルトラ警備隊。ドラマ「ウルトラセブン」において、地球防衛軍であるウルトラ警備隊が出撃するシーンで使われるのが原曲ですが、吹奏楽の定番と今ではなっています。もちろん、甲子園でも定番で、恐らくどの大会でもどこかの試合で演奏されているでしょう。チームがまさしくウルトラ警備隊であってほしい、そんな願いが込められています。

全曲通して感じますのは、佼成ウィンドの素晴らしいアンサンブルとアインザッツです。これほど統制のとれた楽団が日本にもあるんです!もしかするとそれは自衛隊以上かもしれません。少なくともプロのブラスバンドの中でも指折りの楽団である佼成ウィンドの素晴らしいサウンドが楽しめます。しかし、高校生だってそれに負けていません。このCDでは演奏していませんが、奈良天理高校吹奏楽部や愛知中京大中京高校吹奏楽部などは実力のある高校です。そう、このニ高とも高校野球でも強いですね!日大三高吹奏楽部もじつは東京都内では結構実力ありまして、学校のある町田市ではファンも多く存在します。そんな彼らも憧れる佼成ウィンドの演奏をぜひ、このCDでお楽しみいただけたらと思います。



聴いているCD
ブラバン!甲子園4
収録曲:
ボギー大佐
アダムズファミリー
君の瞳に恋してる
テキーラ
熱視線
天国と地獄
サンダーバード
大脱走
雨上がりの夜空に
日大三高第三応援歌
バロック・ホークダウン
安里屋ユンタ・島人ぬ宝・島唄
北の国から〜遥かなる大地より〜
大空と大地の中で
錨をあげて
オオカミ少年ケンのテーマ
ガッチャマンのテーマ
VABRATIONS
カチューシャ
どっかーん
エイトマン
狙いうち
バンビーナ
西部警察PART�UBGM
ルパン三世のテーマ’78
パイレーツ・オブ・カリビアン
喜びの歌(ベートーヴェン交響曲第9番より)
ウルトラ警備隊
橘直貴指揮
東京佼成ウィンドオーケストラ
(ユニヴァーサル・ミュージック UICZ-4233)



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