かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:ハイドン 弦楽四重奏曲全集1

県立図書館所蔵CDのコーナーですが、今回から何回かに分けてハイドン弦楽四重奏曲を取り上げます。演奏はエオリアン四重奏団です。

ハイドンの弦四は、以前から借りたかったものだったのです。つまり、ほしかったものということになりますが、そのきっかけを作ったのは間違いなく同じく図書館から借りたアルバン・ベルク四重奏団ベートーヴェンの弦四全集です。

さらに拍車をかけたのがハイドンのミサ曲全集と、前回までお送りしましたモーツァルト交響曲全集だったのです。

モーツァルトをいち早く評価し、そのモーツァルトよりも後の時代も生きて、ベートーヴェンへと襷を受け渡した「弦楽四重奏曲の父」、ハイドン。そう、ハイドン交響曲だけでなく、弦楽四重奏曲でもその「父」と呼ばれる人なのです。

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%BB%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%BC%E3%83%95%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%83%89%E3%83%B3#.E5.BC.A6.E6.A5.BD.E5.9B.9B.E9.87.8D.E5.A5.8F.E6.9B.B2

ですので、どうしてもハイドン弦楽四重奏曲がすべて聴きたくなり、借りたというわけです。もちろん、一気に借りました。外付けにデータで保存するだけですからものすごい勢いです・・・・・

実際、この全集は24枚組です。ただ、上記ウィキペディアに説明があるように、全集によって曲数はかなり変化するようなので、ここではあくまでエオリアンが取り上げたものを取り上げてゆきます。

しっかし、ハイドンは弦四の全集がほとんどないですね・・・・・実際、この全集を借りるときも、一応銀座の山野楽器で確認してから借りていますが、やっぱりないです。今ではブリリアント・クラシックスも置くようになりましたので輸入盤であれば買い求めることもできますが・・・・・

さて、その第1集ですが、収録されているのは第0番から第3番までの4曲です。はい、0番があるんですね、ブルックナーのように。ハイドンモーツァルト以上に真作、偽作のものが入り乱れていまして、時としてこのようなものが現れます。

まず0番ですが、以前は5声のディベルティメントに分類されていたものだそうです。どう考えても弦楽四重奏曲だろうと思うんですけどね・・・・・説明がなかなかないので、かなりざっくりとした解説にならざるを得ないのですが、1750年代に作曲されたようです。ウィキペディアでは1755年か?と記載されています。楽章数がかなり自由で、この4曲すべて5楽章あります。そのことがどうやらディベルティメントに分類されてしまった原因のようです。実際、ハイドンもそう呼んでいたそうですが、うーん、声部は4つですからねえ。弦楽四重奏曲の萌芽、と呼ぶべきなのかもしれません。

全体的にサロンでの演奏を念頭に置いた軽い曲となっていますが、しかし気品も忘れてはいません。このあたりさすがです。それでいて音楽はのびやかで、さわやかな風が吹き抜けてゆきます。

他3曲も同様で、此れだけ見ますと何のとりえもないの?って思われるかもしれません。しかし音楽が持つ気品とさわやかさは、逸れ以前の作曲家にはなかなか見られないものです。単なる軽妙な音楽は大バッハの息子達も作っていますが、そこに颯爽とした風を吹き込んだような音楽は、明らかに個性的です。これをモーツァルトも目指したのだと考えれば、彼がなんで努力を惜しまなかったのかが分かります。ハイドンは決して最初からスターだったわけではありません。下積みが長かった人です。パトロンがいなかったら、果たして彼の音楽が世に出たかどうかわからなかったくらいです。しかし、彼はその音楽を磨き続けた・・・・・そこに、ハイドンの音楽ににじみである「温かさ」が存在する理由があるように思います。

さらに、この4曲は実は作品1の6曲のうちの4曲でして、構成上に共通のものを持ち、セレナーデ風の緩徐楽章を中央におき、それをメヌエットと簡略なソナタ形式の急速楽章で挟むという対称的な形式をとっています。第3番だけが多少違うという形になっていますが、ほぼ全曲で貫き通すなど、古典美を作り上げようとしているのを感じます。

とにかく気さくなハイドンの音楽、もっと聴かれてもいいと思います。特集で行きたいと思います。



聴いている音源
フランツ・ヨゼフ・ハイドン作曲
弦楽四重奏曲変ホ長調作品0 Hob.II.6
弦楽四重奏曲第1番変ロ長調作品1-1「狩」 Hob.III.1
弦楽四重奏曲第2番変ホ長調作品1-2 Hob.III.2
弦楽四重奏曲第3番ニ長調作品1-3 Hob.III.3
エオリアン弦楽四重奏団



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