かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ハーモニーの祭典 中学校部門'94

今回のマイ・コレは、1994年の全日本合唱コンクール中学校部門のCDです。

そう、このCDの演奏はすべて中学生なのです。そして、そのレヴェルの高さ・・・・・

このCDではどの学校も「いーざゆーけいくさびとーよ」なんてもの(まあ、それがいけないわけではありませんが・・・・・最近は誘導されているように思います。)は歌っていません。邦人、欧州、そしてイギリスです。

ラインナップを見ても、真正面からのものばかりですし、NHK全国学校音楽コンクールのような変な時間制限もないですし、芸術作品をきちんと取り上げています。

つまり、コンクール等はそれぞれ特徴ありますし、NHKが偏向であるならば、このようなコンクールだってある、というわけなのです。

それを知らない人たちというのは、かわいそうな人たちだなあと思います。

とは申せ、もともと私がこのCDを買ったのは実はそんな政治的なことではなく、日本人が歌うコダーイの曲が収録されているものが、当時これしか売っていなかったから、というのが理由なのです。

そう、合唱界ですら、女声合唱でようやくコダーイが歌われているという状況だったのです。しかし、その日本の中学生合唱団も負けてはいません。少なくとも、「ワイナモイネンが音楽を奏でるとき」(東京 共立女子第二中学校コーラス部)「聖霊降臨節」(兵庫県 武庫川中学校コーラス部)「山の夜」抜粋(神戸市立住吉中学校合唱部)は本場と比べても、発音が日本的であるだけで全く遜色ありません。

特に、山の夜をうたっている神戸市立住吉中学校は、公立なのです。私立もコダーイを出してくる中で、とても勇気のある、そして素晴らしい決断であり、その上素晴らしい演奏を聴かせてくれます。

この演奏を聴いてから、NHKを批判してほしいものなのです。わたしはこれを聴いているからこそ、NHKのコンクールには疑問を呈するわけなのですから。

日本の合唱曲をうたっている学校も、そのレヴェルはとても高く、大人のほうが後ずさりするくらいです。特に、名古屋市立振甫中学校合唱部が歌う「無伴奏女声合唱のための『南島歌遊び』」は高音部のハーモニーとそのバランスが抜群で、外国へ出しても遜色ありません。

こういった積み重ねこそ、本来重要なのであって、お金だけ出せばいいというものではありません。その証拠が、今年の職場の部におけるパナソニック合唱団の金賞です。彼らはもう数年間金賞を連続してとり続けています。もちろん、会社が予算をつけているということもあるでしょうが、恐らく金賞でなければ予算削減、という宿命を負っているからだろうと思います(企業はただでお金を出しません)。

そういった緊張感を持ち続けるなにかがないと、なかなかいい演奏はできないものです。いい意味での緊張感と、それを持続できるモチベーション、そしてそれが生み出すやる気と芸術に対する姿勢こそ、大事なのです。

参考に、この年の参加校と結果が全日本合唱連盟のサイトに乗っていますので、URLを挙げておきます。

http://www.jcanet.or.jp/event/concour/kako/con47.htm

毎年、結果はCDになりますので、探してみてはいかがでしょうか。



聴いているCD
ハーモニーの祭典 第47回全国合唱コンクール全国大会中学校の部Vol.4
(1994年10月30日 浜松 アクトシティ浜松大ホール)
(BRAIN BOCD-4404)