かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

友人提供音源:ブラームスとベルリオーズとカントルーブ

今回の友人提供音源は、ブラームスベルリオーズとカントルーブの組み合わせという珍しいものです。

これももともとFMからですが、それにしましてもこのカップリングもいただいた当時とても珍しいと思いました(というより、だからいただいたのですが)。

ブラームスは「アルト・ラプソディ」。これはすでにCDを持っていましたので、とても聴きなれたものです。それよりも私にはベルリオーズの歌曲とカントルーブの歌曲のほうが印象に残ったものです。

特に印象に残りましたのは、カントルーブです。たった2曲だけでしかもそれはおそらくアンコールだと思うのですが、聴いたことのない言語がいきなり飛び込んできたのには正直腰を抜かしそうになりました。

ベルリオーズはもちろんフランス語ですが、カントルーブもフランス語のうちの「オック語」という古い言語の歌詞がついています。私はこの時初めて「オーヴェルニュの歌」に触れたのです。フランス中央山地のオーヴェルニュ地方の民謡をもとにして作曲されたもので、そのため歌詞がその地方の言語がつかわれたのです。

いずれ、県立図書館のコーナーでも紹介しますが、カントルーブがオーヴェルニュの歌を作曲した1920年代から50年代は、ちょうどヨーロッパで民謡を収集して自分の作品を発表する動きが盛んで、カントルーブも音楽院の先生が民謡収集をしていた作曲家でした。彼は先生のその路線を半ば引き継いだ形になります。

私はメインよりもそちらのほうに興味をひかれ、その方から実際にCDも譲りうけたのですが、ちょっと保存状態が悪かったようで・・・・・聴けなかったのです。そのため、最近図書館で借りてきまして、リッピングしてあります。当初は図書館にはないと思っていたので山野で買う予定だったのですが・・・・・これも何かの縁ですね。

ベルリオーズの歌曲「夏の夜」は幻想交響曲のほかに聴く初めてのベルリオーズ歌曲でした。幻想とはまた違った、幻想的でなにかもっと明るい雰囲気をもった曲です。一方、「クレオパトラの死」はそのテーマからとても重々しいものを持っています。のちに彼のレクイエムに触れることになりますが、この二つを聴いていたのは幸いだったように思います。

どうしても幻想交響曲、特に「断頭台への行進」のイメージを私たちは持ってしまい、「華麗なる一発屋」のように考えてしまいますが、ベルリオーズも美しい作品を多数生み出しています。もっと聴きたい作曲家ですね。

どの曲もオケ、ソリストが大事に旋律を奏で、粗雑な点がないのが素晴らしいです。品があり、かつ力強さもある。そう、クラシックはこういう演奏がほしい!と思います。

しかし、やっぱり一番印象に残ったのはカントルーブ。素朴なのにとても美しく、それを繊細かつ美しく歌うソリスト。これをアンコールに持ってくるとは!

ヨーロッパの文化的重層を見せつけられたような気がします。



聴いている音源
ヨハネス・ブラームス作曲
アルト・ラプソディ作品53
エクトル・ベルリオーズ作曲
夏の夜 作品7
叙情的情景「クレオパトラの死」
ジョゼフ・カントルーブ作曲
オーヴェルニュの歌
マッレナ・エレンマン(メゾ・ソプラノ)
ステラ・ドレクシス(メゾ・ソプラノ)
オリガ・ボロディナ(メゾ・ソプラノ)
マンフレッド・ノルノック指揮
スウェーデン放送管弦楽団
ロジャー・ノリントン指揮
シュツットガルト放送交響楽団
ヴァレリーゲルギエフ指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団