かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ドヴォルザーク・セレナーデ集

今回のマイ・コレはドヴォルザークのマイ・コレクションです。指揮はヒュー・ウォルフ、管弦楽セントポール室内管弦楽団です。

このCDは私が初めて買った輸入盤です。日本語解説などありません、英語だけです。それでも買いましたのは、その前にチャイコフスキーの弦楽セレナーデを聴いてよかったというのが理由です。

有名なセレナーデといいますと、3つ挙げられるかと思います。モーツァルト(「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」)、チャイコフスキー、そしてドヴォルザークです。このうちドヴォルザークだけなかったというわけなのです。

この時期、ちょうど合唱団に入っていまして、その音楽監督が「アメリカのオケは長幼の序がないからだめだ」とおっしゃっていたのですが、しかし私はシカゴ響を聴いていますから、それはないだろうと思っていました。実際、このCDを聴きましても、アインザッツ、アンサンブルともに抜群です。

こういう静かでゆったりとした曲で、オケの実力というのは出るのです。合唱団とそれはちっとも変りません。セントポール室内管弦楽団が実力あるオケであるということを、演奏が証明しています。

実は、このCD面白い企画になっていまして、前半は有名な弦楽セレナーデ、後半は管楽セレナーデ(正確にはチェロとコントラバスはいくつか入っていますが)になっています。え、管もあるのという、ア・ナ・タ、あるんですよ、これが。モーツァルトも有名な「セレナータ・ノットゥルナ」を作曲していますし、別に珍しいものではないんです。ただ、驚かれるのも無理はありません。コアなクラシックファンでないと、特に吹奏楽でも演奏できるこの手の作品は聞かないものですし、おそらくオケが好きな人よりは、長年吹奏楽をやってきた人のほうが知っているというケースが多いのではないでしょうか。私も買った時には同様驚いたのですが、吹奏楽をやっている人からは「え、知らなかったの?」と言われたことがあります。

話を元に戻しますと、つまり、このCDはセントポール室内管弦楽団を弦と管にわけて収録されているということになります。こういう企画は「今月のお買いもの」でも取り上げていますが、輸入盤の特徴ですね。

解説がないというのは確かにもどかしいですが、逆にこんな発見があるのが輸入盤の楽しい点ですね。実はその点こそ、私を国内盤至上主義から国内盤優先主義へと転換させた原因なのです。

国内盤至上主義とは、国内盤しか買わないということで、それまで私はその路線で来ました。しかし、この一枚がそれを変えて、国内盤優先主義、つまり解説のある国内盤を買うけれども、輸入盤の珍しいカップリングや国内盤では扱わない作曲者や演奏家も同時に楽しみましょうね、という路線に変えたのです。何か月は後には、そんな一枚をご紹介することにしたいと思っています。

実際は、弦楽セレナーデはもちろん国内盤でほしかったのですが、この曲は有名ですので、まあいっか的なノリで買ったのですが、それが意識を変えるきっかけになるのですから、人生どんなきっかけで変わるかわかりませんね。

今では、図書館で借りて済ますものすらあるわけですから、なんでもありですね。この一枚はそこへたどり着くきっかけになったことは間違いないと思っています。



聴いているCD
アントニン・ドヴォルザーク作曲
弦楽セレナーデ ホ長調作品22
管楽セレナーデ ニ短調作品44
ヒュー・ウォルフ指揮
セントポール室内管弦楽団
(TEDEC 2292-46315-2)