今回のマイ・コレは久しぶりにポップスです。藤田朋子のアルバム「ビコーズ」です。
彼女は女優ですが、歌手でもあります。実際、ミュージカル出演経験もあります。そのためか、当時も思いましたが、今でも歌唱力があるなあと思います。
いくつかの楽曲は結構ヒットしました。もう16年まえですが、当時彼女の透明な歌声にひかれ、買い求めた一枚です。
しかし、やはり聴き続けるというものではないですね・・・・・・私も多分、10年以上ぶりに聴いています。それでもとってあるのは、やはりこのアルバム全体を貫き通す「女優が歌を歌うこと」というものが、しっかりと伝わってくる点です。
最近はアルバムを出していないと思いますが、もっと出していいのでは?と思います。多分、本業である女優業を大事にしているからだとは思いますが、ある意味、今どきの歌手よりは存在感があります。まず、聴いてすぐ藤田朋子とわかる声。これはとても大事な点だと思います。最近私が聴いた中ではそういう歌手はsuper flyだけです。
こういう楽曲もありだと思いますし、私は好きです。今どきのメッセージ性の強い歌だって好きですが、私はそういう曲はすでにベートーヴェンでさんざん聴いています。それよりも、むしろ室内楽のような、軽いけれど決して軽薄ではない曲が聴きたいと思います。
そういう意味では、最近の歌手ではやはり女優の新垣結衣がダントツですね。彼女は歌唱力があるだけなく、表現力があるんですね。淡々と歌ってそれが伝わってくるのは、ある意味R&B系の歌手たちよりも素晴らしいと思います。
その点で、藤田朋子は特に、バラードが素晴らしいです。実ははじめそれほど私は期待していなかったのですが、バラードが素晴らしいことでその評価は一転しました。そういえば、「渡る世間」でずっと出続けていますね。橋田さんは好き嫌いが激しいようで、しかも実力が伴わないとだめといいます。そういう中で出続けるということは、藤田朋子の実力を買っているということでもあるかと思います。
もちろん、女優がかならず歌がうまくなればいけないというわけではないのですが、できれば表現の多彩さということを外へ出したいのであれば、歌手、という路線も一緒に歩むということもだいじなのではないかと思います。それだけのことができるのであれば・・・・・ガッキーや、この藤田朋子のように。
聴いているCD
藤田朋子 ビコーズ
(ソニーエンタテイメント SRCL 2932)