かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:石嶺聡子 GENERATION

今回のマイ・コレは再び石嶺聡子です。彼女の3rdアルバム、GENERATIONです。

「世代」と名付けられたこのアルバムは、彼女が決して沖縄民謡の歌手ではないという宣言でもあります。それが証拠に、洋楽のカヴァーが3曲入っていまして、それが全く遜色ないのです。彼女の十分すぎる歌唱力を見せつけています。

それまでの楽曲に比べ、歌が持つエネルギーというものは幾分下がっていますが、その分彼女が目指している「石嶺ワールド」が前面に押し出されたアルバムです。

第1曲目から第3曲までは日本語の歌。第1曲目の「Liberty girl」はまさしく洋楽風で、その後に来る洋楽同様カヴァーか?と思わせるものです。第2曲目「shine」はこれまで通りの路線。第3曲目「幸せドミノ」は中国風なのかそれともレゲエなのかその境界が分からない、クロスオーヴァ―的な楽曲ですが、そのせいなのかのんびりとした曲ですしまた歌詞の内容もとてものんびりしています。

第4曲目から第6曲目までは洋楽のカヴァー。第4曲目「Those were the days」と第5曲目「Goodbye」はイギリスのメリー・ホプキンスのカヴァー。一気に大人びた雰囲気になります。Those were the daysは哀愁あふれる曲ですが、哀しいだけではなく何となく希望もある感覚になるのは彼女の歌声のせいでしょうか?第5曲目Goodbyeはビートルズも歌った(ポール・マッカートニー作詞作曲!ただし、ビートルズは公式には未リリース)名曲ですが、これほど彼女の歌声に合う曲もありませんね〜。「さよなら」なのに、なぜか明るい・・・・・

第6曲目「Summernight Magic」もカヴァーで、元はアメリカ生まれのノルウェーの歌手トリーネ・レインのヒット曲。冒頭、アバかな〜って感じの曲ですが、その音楽はとてもさわやか。どう見てもディスコミュージックですが、それをさわやかに歌う点、歌唱力ありますね。3曲とも発音もきれいです。この3曲が入っているせいか、このアルバムのレコーディングはロンドンのアビーロード・スタジオ(ここは洋楽だけでなくクラシックファンにとっても聖地です!)とリアル・ワールド・スタジオでレコーディングされています。

第7曲目はその勢いそのものので突っ込んでいく「恋だけじゃ情けない」。恋だけってことは・・・・・ええ、結婚ですよね〜。2人でいたい・・・・・そんな「恋人以上になりたい」という女性の気持ちを素直に表現しています。そのテクストで引き続くのはしっとりとした第8曲目「友達?」です。彼は友達?それとも・・・・・恋人になりたいけど、結婚したいけど、なれない・・・・・そんな乙女心をうたいあげた歌です。これが彼女の透明かつ伸びのある声で歌われると、男性でもキュン!とします。

第9曲目は「そっと・・じっと・・きっと・・ずっと」です。抱きしめられるのはこういうことと彼女が歌い上げます。いや〜、当時は単に「そういうものだよね」とだけ聴いていましたが、この年になってこの曲を聴きますと胸が締め付けられます。どれだけ彼女は歌唱力あるのだろう・・・・・底しれません。しかし、音楽は徹頭徹尾優しいもの。ソフトな歌をこれだけ伝播力あるものにできる歌手はそうなかなかいません。

第10曲目は「秋の行方」。アルバム最後の曲にふさわしく、しっとりとした曲です。このテクストですと秋というキーワードですと失恋?そうです、最後の最後で失恋ソングを持ってくるのです。それが全く暗くない。むしろ、世界としては第5曲目と同じで明るいのです。ただポップではない。フォーレのピアノ四重奏曲のような、哀愁がありながら、でもその失恋を前向きにとらえようという歌詞です。

ウィキペディアではこの時期の彼女は自分の世界を模索中とありますが、そういう側面もあるでしょう。しかし、すでに十分彼女の世界は現れています。恐らく、彼女が目指していた世界はもっと高いところにあったのでしょうね。それは次のアルバムで明らかになると思います。またその時に述べましょう。

兎に角、このアルバムが出た1996年当時、私はクラシック中心でありながら、J-POPも聴くという、ある意味変わった人種でした。しかし私のチョイスする姿勢は一貫していまして、楽曲的に優れたもの、歌唱力のあるものを選んでいます。それはもちろん、私がクラシックが好きであるが故、です。石嶺聡子もそのテクストで選んでいますし、今聴きましてもそれゆえか色あせていません。

名曲はこのように残ってゆくのだろうと思っています。



聴いているCD
石嶺聡子 GENERATION
(現EMIミュージック・ジャパン TOCT-9709)※当時は東芝EMI



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