かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

音楽雑記帳:クラシック向きのメディア、USBメモリ

音楽雑記帳、今日はCD、特にデジタル音源について考えてみます。

今、私たちはデジタル音源を聴くときに、以下のメディアに入れて聴いていると思います。

・CD
・携帯電話などのメモリ(SDカード含む)

このうち、私が注目しているのが、メモリです。しかも、それは、USBメモリです。

USBメモリはある意味究極のメディアです。CD以上の記憶容量を持ち、その上操作感はフロッピーとほぼ同等です。しかも、CDよりも小さい。その理由は、半導体に直接記録するためです。だからこそ実現できたメディアです。

今や、フロッピーを使っている方はほとんどいらっしゃらないと思いますし、また音楽以外では既に記録メディアとしてCDはやや斜陽となってきています。DVDへと移ってきているような感じです。

しかし、私はだからといって音楽CDがDVDにとって変わるとは思っていません。音楽DVDは映像も楽しみたい人にはいいでしょうが、世の中携帯音楽プレーヤー全盛でその傾向はこれからもっと顕著になるという時代に、DVDは実は厄介な問題を抱えています。

映像も楽しみたい人は手軽だが、音楽だけでいいという人には操作が難しい・・・・・

実際、DVDから音楽だけ抜くソフトもありますが、パソコンがちょっと苦手という人には手間がかかるのです。まあ、mp3ファイルの直接編集に慣れている人であれば大丈夫でしょうが、mp3ファイルを常にCDからリッピングしてそのまま聴いているという人にとっては苦痛以外のなにものでもないでしょう。

そこで、USBメモリの出番となります。実は、ちょうど県立図書館所蔵CDのコーナーでアルバン・ベルク四重奏団ベートーヴェン弦四を取上げていますが、作品18の6曲はスメタナ四重奏団の演奏が3曲づつ収録されているのにも関わらず、アルバン・ベルクは2曲づつなのです。実際3曲入るにも関わらず・・・・・

でも、ラズモフスキーは2曲づつです。それは時間の問題が主な理由です。でも、できればラズモフスキーは3曲一気に聴きたいものです。ベートーヴェンもこの3曲は一つの組み物として考えていた訳ですから、作品59としてまとめたのです。

ところが、現在の技術では2曲づつとし、第9番であるラズモフスキー第3番は第10番のハープといっしょに収録するしかありません。それが、USBであるならば、ベートーヴェンの弦四が大フーガまですべて入ってしまいます。しかも、mp3に圧縮せずに・・・・・

いまどき、16Gくらいは平気でありますし、一曲平均が320Mと考えれば、ほぼ5Gちょっとです。これは現在出ているUSBメモリの容量から考えますと、決して荒唐無稽な話ではありません。充分実現できるものです。

技術の進歩で小さいものにたくさん詰め込むことが可能になりましたが、そのためにどうしても人間の耳に聞こえにくい部分を犠牲にしています。それがmp3ファイルの欠点です。ですから、クラシックが好きな方はmp3で聴くことがあまり好きではない人の方が圧倒的かと思います。

しかし、CDでは記憶容量がどうしても650Mか700Mに制限されます。これでは最大80分までが限界です。これでは販売には適しているかもしれませんが、実際にクラシックを聴く場合には実は弊害も多いかと私は思うのです。聴けば聴くほどクラシックは奥深く、作曲家が理想としたようには聴けていないのではないかという気すらするのです。

それを生演奏、つまりコンサートで補うことができればいいのですが、特に日本の団体はチクルスをあまりしてくれません。したとしてもその演奏を番号順にCDで販売するということをなかなかしません。特に、交響曲は時間が長いこともそれを妨げている一因なのではないかという気がします。しかしながら、弦四などはやろうとすれば充分できます。

ところが、それも販売する側からすれば時間の制約がある。だからこそぶつ切りにせざるを得なくなります。そうなると、本来ラズモフスキーは3曲ワンセットなのに、私たちはひとつひとつを独立した曲として考えてはいないでしょうか。それによって、私たちはベートーヴェンが本来目指した音楽にたどり着けていないのではないかという気がするのです。

USBメモリなら、音質の点でも全く問題ないですし、特に優れているのは携帯音楽プレーヤーで聴くことを必ずしも前提としないという利点があります。だからこそ、音質の点で問題がないのです。圧縮する必要がないからです。その上、容量もたっぷりとありますので、時間もそれほど気にせずに販売できるというメリットがあります。携帯電話などの主要メディアであるmicroSDカードは原則取り外さないことを前提としていますし、携帯電話が防水などの機能を強化したことから、入れっぱなしが普通になりました。

そうしますと端末同士で通信を行わないといけません。そのスピードをある程度速いものを確保するためには、どうしても圧縮せざるを得ません。ですから、mp3が主流になったのです。

しかし、私は次にはふたたびWAVファイルの時代が来ると思っています。これだけ大容量の時代になって、もっと音質のいいものをコンパクトでという要望が必ず出るはずです。しかし、基本的にmp3ベースの技術では完全にCDと同じ音質を再現することはできません。それが可能なのはWAVファイルだけなのです。しかも、WAVファイルはデジタルデータの基礎であるだけに汎用性が高く、他のソフトとの互換性が高いのも特長です。

それを現在の携帯音楽プレーヤー並みの手軽さにできるのはUSBメモリだけです。しかも、メディア自体がデッキにもなりえます。実際、USBメモリである携帯音楽プレーヤーもあります。

また、これは私の妄想に過ぎませんが、技術的にはUSBメモリをメディアとしたデッキも可能です。携帯音楽プレーヤーとしてもですが、勿論通常のコンポとしても使えます。さらに、現在はコンポでもハードディスクを内蔵しているものも出てきています。それをパソコンからコンポへと入れるには私はUSBメモリが適していると思っています。実際にWAVファイルをパソコン本体から外付けHDへ移した経験のある方はお分かりかと思いますが、特に規格が1.1ですと本当に時間がかかるのです。

でも、それがUSBメモリならあっという間です。手間が面倒かもしれませんが、DVDから音楽データだけ抜き出すのに比べれば何ということもありません。それが2.0ならもっと速いでしょうね。

もちろん、USBメモリにも問題がないわけではありません。半導体であるだけに、些細なことからデータ損傷ということもありえます。販売するにも今までとはやり方が変わってしまうでしょう。そのリスクを考えるとまだ先になるのかなと思います。が、いずれUSBメモリで販売するという時代がくるように思います。DLに比べればデータ損失のリスクは少ないので・・・・・

特にクラシック向きのメディアであると、私は思っています。