皆様、あけまして、おめでとうございます。
今年もこのブログをよろしくお願いいたします。また、皆様にとって今年がよい年になりますよう、本年もお祈りいたします。
さて、今年最初に取上げますのは、金曜日のコーナー「友人提供音源」から、フランスのヴァイオリン・ソナタを集めたものです。
収録されている作曲家は、以下の4名です。
・ラヴェル
・プーランク
・ドビュッシー
・フランク
さて、皆さんはこの中で知っている作曲家は何人いますか?
私はこの音源をいただいたとき、一応プーランク以外は知っていました。ただ、そのうちさらに何曲か聴いたことのある作曲家は?と問われますとその答えはラヴェルだけという結果になりました。
今でこそ、プーランクは少しずつ聴くようになりましたが、他はさっぱり。しかし、そのうちプーランクだけでもきっかけを作ってくれたのがこの音源です。
ドイツものの魅力は、何といってもその構成と重厚さだと思いますが、フランスものはそれに比べますと軽薄というイメージがあります。しかし、それは逆に肩がこらない、気軽であるという特長をもつということに気がつくまで、およそ8年の時間がかかりました。
今聴きなおしてみますと、軽薄などでは決してありません。それぞれ味わい深いですし、内省的であるにも関わらず肩がこらないですし、また妙に暗くもありません。
そここそが、フランス音楽の魅力であるように思います。
これ以降、私は少しずつですがフランス音楽を聴き始めます。フォーレの弦四やピアノ五重奏曲、プーランクの合唱曲などです。
特に、プーランクに関してはこの音源とタロー・シンガーズのライブが大きかったです。その二つがきっかけとなって、やがて私はプーランクの名作「人間の顔」へとたどり着きます。今、このCDが既に持っているのにも関わらず欲しいのです。それも、タロー・シンガーズで・・・・・
これほどフランスものへとのめりこんでゆくとは数年前には全く考えもしませんでした。特に、この音源をいただいた当時などは・・・・・
私はある合唱団で広報を担当していました。もちろん、アマチュア合唱団ですから仕事の片手間で。でも、その片手間が半端じゃない・・・・・
そんな経緯があって、なかなかフランスものには手が出ませんでした。とにかく、合唱団に関係する音楽が最優先でした。そうすると、どうしてもドイツものか日本の合唱曲が優先になります。それと、当時ようやく主流になりつつあったmp3ファイルの調査などを、広報に使えるか、使うならどう使うかなどために知識を得るのに精一杯でした。
しかし、その後私はさまざまな理由から合唱から遠のくことを決断し、合唱団を退団します。そして今になってようやくフランス音楽に興味が向き始めたのです。
そのとき、整理も含めてこの音源を聴いたときに、「あ、これいいな!」と素直に思えるようになっていました。
特に、ラヴェルのヴァイオリン・ソナタの第2楽章はブルースとつけられているだけあって、最初ジャズか?と思ってしまいます。第1楽章のやや現代音楽的な姿は全く見られません。
いろんなものがあるのに、それがきちんと融合し、一つの音楽として成立する。その部分が聴いていて飽きません。
考えて見ますと、そのいろんなものが融合するという点はベートーヴェンやブラームスも一緒であるわけでして、決してフランス音楽特有のものではありません。むしろ、ヨーロッパの文化の基礎部分を見るような気すらします。
是非とも、これらの作曲家の作品をお勧めします。ドイツだけでは見えてこない本当のヨーロッパが見えてきます。
聴いている音源
フランス・ヴァイオリン・ソナタ集
(友人提供のFM音源CD−R 非売品)