かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:星条旗よ永遠なれ・決定版!世界のマーチ第1集

さて、今回は新シリーズをお送りします。本当は紙面刷新の上で取りあげる予定でしたが、急遽それを待たずにはじめることにしました。

マイ・コレクションとは、文字通り私が持っているCDを購入順にご紹介するものです。第1回目は、マーチです。

このCDは私が始めて買ったCDになります。少ないお小遣いから、当時3000円もするCDを買うのですから、迷いに迷いました。その上で、このマーチのCDを選びました。

マーチのCDは当時これくらいしか出ていなかったのです。演奏は自衛隊の3中央音楽隊。陸上自衛隊中央音楽隊海上自衛隊東京音楽隊航空自衛隊航空中央音楽隊です。

もともと、マーチは好きだったのです。高校野球の「ああ栄冠は君に輝く」なども好きですし、そういうことが高じてこのCDの購入を決めた経緯があります。

当時、我家にCDがやってきて、ためしに聴くCDがおいてあり、そのマーチの演奏もすばらしかったこともあります。CDは金管をきれいに再現しますから。そういうことも、このCDに決めた理由でもありました。

さて、どんな曲が含まれているかといいますと・・・・・

1.星条旗よ永遠なれ(スーザ)演奏:陸上自衛隊中央音楽隊
スーザの代表作と言っていいでしょう。この曲がアルバムのタイトルにもなっています。スーザが外国でみた星条旗を見て作曲したといわれています。陸自中央音楽隊の演奏は丹精で、変に盛り上げるのでもなく、でもしっかりと訴えかけてくる演奏です。そのあたりは、海自、空自とも共通しています。

2.旧友(タイケ)演奏:陸上自衛隊中央音楽隊
この曲は中学校の音楽鑑賞の時間にも取上げられる有名曲ですね。この曲では少しだけ陸自は感情を込めている感じがします。この曲が友への友情に感謝して作曲されているという点がそうさせているのかもしれません。軍楽隊にしては珍しい演奏だとおもいます。

3.勝利の父(ガンヌ)演奏:陸上自衛隊中央音楽隊
あまり聴いたことがない曲だと思います。この曲は第1次大戦後、「勝利の父」と言われたフランス・クレマンソー首相の人気にあやかって作曲されたものです。実は私はこの曲が結構好きでして、聴くと勇気がわいてきます。そのあたりをきちんとアンサンブルよく演奏する陸自はすばらしいです。フォルテとピアノの切り替えもきちんとなされている上に統率が取れていて、下手なオーケストラよりもすばらしいと思います。

4.軍艦行進曲(瀬戸口藤吉)演奏:海上自衛隊東京音楽隊
いわずと知れた、「軍艦マーチ」です。旧海軍で公式採用されて、現在の海上自衛隊でも公式採用されています。軍歌「軍艦」を元に、その3年後にトリオ部分に「海ゆかば」を使ってマーチにされました。海自の演奏は最初は堂々とした演奏ですが、トリオの部分では丹精な演奏になります。このあたりは、さすが日本の軍楽隊だなと思います。

5.我等の海軍(ティーレ)演奏:海上自衛隊東京音楽隊
この曲もお気に入りです。ドイツの作品で、ナチによってよく演奏されたことから戦後のある時期演奏禁止の憂き目にあった曲です。しかし、私はこの曲のまるで出港を想像させるような出だしがとても好きです。海自の端正な演奏がそれを際立たせています。

6.海軍士官候補生(アルフォード)演奏:海上自衛隊東京音楽隊
イギリスの軍楽隊にいた作曲家、アルフォードによる、これも軽快なマーチです。海自の演奏するマーチは結構軽快なものが多いのです。どうしても、軍艦行進曲のイメージがありますが・・・・・この曲もお気に入りです。

7.コバルトの空(レイモンド服部)演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
この曲、野球ファンの方なら必ず聴いたことがあるかと思います。TBSのスポーツ放送(現在ではラジオのナイター中継)で今でも使われている名曲で、しかもTBSのために作曲された、レイモンド服部の代表作です。航空自衛隊がこういう曲を演奏するのに、私は当時驚きを隠せませんでした。淡々と演奏されますが、それがまた味があります。

8.大空の勇士(ドスタル)演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
オーストリア陸軍所属のドスタル作曲のオペレッタ「飛翔する騎士」の中のマーチです。空自はこういう作品中のマーチを取上げることが多いです。明るいマーチで、それをのびのびと演奏しています。一度、彼の作品を聞いてみたくなります。

9.空かけるわし(クロール)演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
アメリカのマーチ作曲家といえばなんといってもスーザが有名なのですが、他にいるよと教えてくれるのがこの曲。クロールはアメリカのバンドに所属した作曲家です。青空を飛ぶわし、あるいはそれになぞらえた飛行機が飛ぶ様を想像してしまいます。空自の面目躍如です。

10.大海の勇士(ロイシュナー)演奏:海上自衛隊東京音楽隊
ドイツの軍楽隊を指揮したこともあるロイシュナーの作品です。この曲もお気に入りです。悠然と大海を行く軍艦を想像します。この曲は構造が軍艦行進曲と似ていまして、トリオ部分に軍歌を使用しています。こういう曲をやらせますと海自はぴか一です。

11.バーデンヴァイラー行進曲(フュルスト)演奏:海上自衛隊東京音楽隊
この曲ほど、いわくつきの曲はありません。ドイツバイエルン近衛歩兵連隊軍楽隊の隊長をしていたフュルストによる作品で、フランス領バトンヴィレ(ドイツ語でバーデンヴァイラー)を占領した功績を称えるために作曲されたものです。それだけでもいわくつきなのに、さらにこの曲はナチスでもよく使われ、特にヒトラー登場の場面で散々使われた曲です。そのため、戦後演奏禁止になってしまいました。1960年にフランス名で演奏することを条件に演奏が許可されるようになりました。

日本でも、陸自ではなく海自で演奏されるのは、そのせいだということを以前聞いたことがあります。その海自の演奏は堂々としていて、すばらしいです。

12.フランゲッサ(コスタ)演奏:海上自衛隊東京音楽隊
イタリアの作曲家コスタよって作曲された「小さなフランスの少女」という名のマーチです。この曲もお気に入りです。途中、隊員によってハミングが歌われるのがまた味があります。

13.ベルギー落下傘部隊(リーマンス)演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
私の大のお気に入りです。文字通り、ベルギー落下傘部隊を描いた曲で、第2次大戦後ベルギーの作曲家リーマンスがパラシューティストの会合に参加してモティーフが浮かんだと言われています。落下傘部隊は日本では陸自なのですが、空自が演奏しているのが面白いです。でも、その演奏は端正ですが、それゆえに落下傘部隊が落下し、活躍する場面が目に浮かんできます。

14.飛び行く荒鷲ブランケンブルク)演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
この曲も私のお気に入りで、本当に飛行機が飛んでゆく様が目に浮かぶようです。航空自衛隊ならではという気がします。

15.神秘の殿堂の貴族たち(スーザ)演奏:航空自衛隊航空中央音楽隊
え、なんでこんな題名が?と思ってしまいますが、実はスーザはワシントンの神秘の殿堂の古代アラブ貴族騎士団に入っていました。同じく甥も会員だったのですが、その甥の要請によって作曲されたものです。ですので、他の曲とは雰囲気がまるで違いますが、スーザらしく堂々としています。スーザのこういう曲を取上げる点、後発の空自らしさが出ています。

16.闘士の入場(フチーク)演奏:陸上自衛隊中央音楽隊
これはマーチ、というよりもオーケストラ曲としてのほうが有名なのではないかと思います。確か、同時鑑賞会でも取上げられていたような気がします。この陸自の演奏もオケに引けを取りません。統率が取れていて、かつダイナミックです。この曲もお気に入りです。

17.故郷をあとに(マイスナー)演奏:陸上自衛隊中央音楽隊
ドイツの作曲家マイスナーによって書かれたマーチですが、とても美しい曲です。ふるさとをあとにして、部隊に配属になるのか、それとも戦地へ行くのか・・・・・それはわかりませんが、そこには悲愴感も、また高揚感もありません。そのあたりが面白い曲です。マーチにしては比較的長い曲です。陸自のアンサンブルのすばらしさが前面に出た演奏です。

18.名誉ある古代砲兵隊(スーザ)演奏:陸上自衛隊中央音楽隊
これもこんな曲をスーザが!という曲です。タイトルのアメリカはボストンにある軍隊組織の団体の依頼で作曲されたものです。初演は1923年、ボストン・シンフォニー・ホールで行われました。陸自のこれも統制のとれた演奏がすばらしいです。この曲は競馬ファンには有名な曲で、ラジオ日本の競馬中継のテーマ曲としても使われています。


どれも3自衛隊の統率が取れていて、また正確な演奏が光るものばかりです。マーチってこんなにすばらしかったのですねと、気づかせてくれます。

では、次はこの第2集です、と行きたいところなのですが・・・・・・

当時、第2集も買うつもりでした。しかし、他の曲が欲しかった為、第2集を後回しにしているうちに、第2集は廃盤になってしまいました・・・・・

今では、第1集と第2集から抜粋して、一枚の新たなCDに生まれ変わっています。


聴いているCD
星条旗よ永遠なれ・決定版!世界のマーチ第1集
富家秀則、中村暁生、岡田修指揮
陸上自衛隊中央音楽隊
行方三博指揮
海上自衛隊東京中央音楽隊
印南智之指揮
航空自衛隊航空中央音楽隊
(ドイツ・グラモフォン 3111-5001)※製作はポリドールです。