かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今日の一枚:交響詩、管弦楽選集(2枚組み)

さて、今回もマイミクさんからの「おまけ」をご紹介です。今回もフルトヴェングラーの指揮で、有名曲を集めた2枚組みです。オケは二つともウィーン・フィルです。

まず、交響詩のほうですが、こちらは単なる交響詩のシリーズではなく、リヒャルト・シュトラウス交響詩なのです。ティル、ドン・ファン、詩と変容の3つです。

いずれもR・シュトラウスを代表する名曲です。特にドン・ファンN響アワーのオープニングでも使われていましたから、聞き覚えのある方も多いと思います。

どの演奏もフルヴェンさんのドイツ人としての意識を感じるのです。3曲ともR・シュトラウスというだけでなく、後期ロマン派を代表する曲でもありますし、その時代のドイツを代表する曲です。そういう意識を充分感じます。

いずれの曲からも後期ロマン派の芳醇な香りが漂ってくるのです。かつ生き生きとした演奏。それがウィーン・フィルだからという点もあるかもしれませんが・・・・・

それは2枚目の管弦楽曲選集でも同じで、ウェーバーメンデルスゾーンは初期ロマン派らしい香りがあります。

残念なのは残り2曲の国民楽派のうち、スメタナの「モルダウ」。私の思い入れが強すぎるのかもしれませんが、テンポがゆったり過ぎるのです。ダイナミックさは健在ですが、川の流れを表現するのに、すこしばかりテンポが遅いようにも思いました。

確かに、音ひとつひとつがよく聴けるという点では、構造がわかっていいのですが、そこまで解析してしまうと、何となく曲のもつエネルギーが半減するような気がしました。

それでも、最後のクライマックスはすばらしいです。さすがフルヴェンさんです。

私はモルダウを聴くときにやはり川の流れを歴史になぞらえるので、そのあたりが余計になるのかもしれませんが、もしかすると、こんなところにも当時の社会というものが横たわっているような気がしました。

フルヴェンさんは聴けば聴くほど、いろんなことを教えてくれるような気がします。


聴いているCD
交響詩
リヒャルト・シュトラウス作曲
交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」作品28
交響詩ドン・ファン」作品20
交響詩「詩と変容」作品24
管弦楽曲選集
ウェーバー作曲
「魔弾の射手」序曲
「オベロン」序曲
「オイリアンテ」序曲
メンデルスゾーン作曲
序曲「フィンガルの洞窟」作品26
リスト作曲
交響詩前奏曲
ベルドジヒ・スメタナ作曲
交響詩モルダウ
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(TC-105)