かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今日の一枚:モーツァルト交響曲第40番、シューベルト「未完成」他

今回も、マイミクさんの「おまけ」のご紹介です。今回もフルトヴェングラーです。オケもウィーン・フィルと同様の組み合わせです。

このカップリングは非常に珍しいなあと思いました。どちらも1950年前後のムジークフェラインでの録音ですが、音もクリアで、一瞬これがモノラルであることを忘れてしまいます。

まあ、このCDはEMIなので、それも当然かもしれませんが・・・・・とにかく、マスタリングはいいです。

40番にしてはかなり速いテンポです。私は40番は3枚(正確には、CD2枚と外付けハードディスクにデータで一つ)持っていますが、ゆっくりとしたテンポのものと、これと同じように速いテンポと二つ持っています。はじめは、この速いテンポがそれほど好きではなかったのですが、だんだん速いテンポが好きになりました。

フルトヴェングラーがこの速いテンポで演奏しているのには目からうろこ状態です。それでいてオケはまったく崩壊せず、しかも充分に歌わせています。アインザッツもそれほど強調せず、でもきちんとあっていて、ウィーン・フィルのいい面だけが出ています。

この交響曲は聴くたびに難しい曲だなあと思います。テンポ感、アンサンブル、表情のつけ方。どれを取ってみても気を抜くことはできないはずです。曲全体を支配する緊張感もそうですし、「最大集中」を要求されます。

しかし、それを全てこなせた演奏はやはりすばらしいです。なかなかそれはできることではありません。聴いているほうは簡単にすばらしいといってしまいますが、そのすばらしい演奏をするのにしなくてはいけないことがあまりにも多いのです。それを、ほぼ完璧にできないと不可能です。

それを、フルトヴェングラーウィーン・フィルにいとも簡単にやらせています。そこが、この演奏のすばらしい点だと思います。

カップリングのシューベルトの未完成とロザムンデもすばらしいです。どうしてもシューベルトの音楽は甘美な方向へ流れるので、下手するとつまらないという指摘もありますが、それを跳ね除ける演奏です。

そもそも私は感心するのは、あのウィーン・フィルを完全に掌握して、統率している点です。ウィーン・フィルほど我の強いオケはありません。それを、完全に統率している・・・・・

その点は、はじめて聴いたときにうなりました。特に、それはモーツァルトに表れています。モーツァルト交響曲の中でも難しいといわれる40番が、完璧です。

プロでも手を焼く40番。それが完璧な演奏を、私は初めて聴いたような気がします。テンポ的にも古楽かと思ってしまうような速いテンポで、かつ、アンサンブルが完璧で、全体的に歌わせているこの演奏は、名演と言っていいと思います。


聴いているCD
ヴォルフガング・アマデウスモーツァルト作曲
交響曲第40番ト短調K550
フランツ・シューベルト作曲
交響曲第8番イ短調「未完成」
ロザムンデより
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(EMI CDH7 63193 2)