今回は、マイミクさんより買ったCDのご紹介です。実は、これもおまけですが・・・・・
マーラーの交響曲第2番「復活」です。メータ指揮、イスラエル・フィル&合唱団です。
このCDの最大の特徴は、「復活」が一枚に収まっていること。なかなか一枚で収まることはありません。80分前後はどうしてもかかる曲です。それが、何と一枚・・・・・
まあ、確かに私も第九で80分近くで一枚に収まっているものを持っていますから、そういうCDがあるのはべつに珍しくは感じません。それよりも、「復活」を一枚に収めるような演奏をしているメータとイスラエル・フィルが珍しいのです。
第1楽章が随分とすっきりとした演奏になっています。私は実はもともと尾高忠明指揮、東京フィルで持っているのですが、それに比べますと随分すっきりと、あっさりと進んで行きます。私としては何となくそれが物足りない感じがします。アンサンブルはすばらしいのですが・・・・・その点は、さすがイスラエル・フィルです。
しかし、こういう演奏もありなのかなあ、と思ってもしまうんです。というのは、この組み合わせ、純粋なユダヤ人なわけなので・・・・・
マーラーがユダヤ人だったことを考えますと、それもありなのかなあ、と。
しかし、第1楽章以外はそれほど東フィルの演奏と変わりません。何のためにそれほどさくさくとした演奏をするのかがよくわかりません。わたしとしましてはちょっと不完全燃焼・・・・・
それも、第3楽章以降はまったく変わります。復活というにふさわしい音楽と変わります。堂々としていて、合唱団もよく歌わせています。そして、適度な緊張感がある点は、むしろ東フィルよりも優れているといってもいいかと思います。
復活という曲は、まさしく暗黒から光へという構造になっていて、それが魅力であるわけですが、それがいまいちこの演奏からは感じられません。合唱部分が入ってくるまでがとてもあっさりしている感じです。勿論、それもこの曲が第5楽章に重心がおかれていることを考えますと、そういう解釈もありですが、私としては第1楽章ののたうち回るような、苦しみの場面をもう少し丁寧に描いて欲しかったように思います。
もしかすると、それはユダヤ人の歴史が許さないのかもしれません。そういう解釈ができる日本人のほうが、しあわせなのかもしれませんね。
聴いているCD
グスタフ・マーラー作曲
交響曲第2番「復活」
シルヴィア・グリーンベルグ(ソプラノ)
フローレンス・クィヴァー(メゾ・ソプラノ)
ズビン・メータ指揮
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団&合唱団
(PWK 1136)