さて、今回はマイミクさんから買いましたCD(いや、正確にはおまけ)をご紹介します。今日はブルックナーの交響曲第5番。フルトヴェングラー指揮、ウィーン・フィルです。
実は、おまけのほとんどがフルヴェンさんなのです。ですので、しばらくはフルトヴェングラーの演奏をご紹介することになろうかと思います。
それにしても、フルトヴェングラーという指揮者は、私ごのみです。今振り返ってみると、私はステレオでのフルトヴェングラー探しをしてきたように思えます。それくらい、フルトヴェングラーは本来私が好きな演奏をしている、と感じます。
フォルティシモとピアニッシモの差が激しいが故のダイナミックさ。これは他の追随を許しません。それと、モノラルでも充分わかるウィーン・フィルのアンサンブルのよさ。確かに、ステレオ音源になれた私たちからしますと物足りない部分はありますが、それを補って充分余りある、と思います。
この5番でも、それはまったく同じです。特に、第1楽章と第4楽章ではそれを充分楽しむことができます。
勿論、ブルックナーのすばらしさはダイナミックさだけではありません。金管の神々しさや、弦のやわらかさも魅力です。確かに、それは多少ないかなと感じる部分もあります。しかしながら、私はそれでもこの演奏はその不足分を充分補い、さらには凌駕しているように聴こえました。
ある種の緊張感があるのです。それが全体を支配しているので、いわゆる「ブルックナーは長い」と感じないのです。あっという間に時間が過ぎてゆきます。
私もブログを書くときには最低2回は聴いて書くようにしていますが、このCDはもう10回くらい既に聴いています。あれほどモノラルは徹底的に避けていた私が、今ではとりこです。フルヴェン・マジックとも言うべき世界があります。
ウィーン・フィルのモノラル録音は私はカラヤン以来ですが、つくづくすばらしいと思います。あの我の強いウィーン・フィルです。ベルリン・フィルと違います。それを完全に統率しているフルヴェンさんは、やはり巨匠というべき人であるなあと思います。
勿論、ステレオ録音とこの演奏とではどちらがいいかといわれれば、恐らくステレオ録音を私は選ぶと思いますが、それでも、次点では絶対フルヴェンさんのモノラル録音です。今のところは、それで揺るがないかな、と思っています。
聴いているCD
アントン・ブルックナー作曲
交響曲第5番
ヴィルヘルム・フルトヴェングラー指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ARKADIA CDWFE 360)