かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今日の一枚:「サテデー・ナイト・フィーバー」オリジナル・サウンドトラック

さて、今回は一見しますとクラシックではないCDを取上げます。もう、この映画は有名すぎて説明するまでもないと思います。ジョン・トラボルタ主演の映画「サタデー・ナイト・フィーバー」のサウンドトラックです。

これは買ったのではなく、リアルの友人からお借りしたものです。まあ、それをリッピングさせていただく、ということなのです。快く貸していただいた友に、感謝です。

何でこのCDを取上げるかといえば、実はこの曲にはクラシックが二つ収録されています。第6曲目の「運命’76」と第10曲目の「禿山の一夜’77」です。共に、ベートーヴェンムソルグスキーの名曲であることは説明する必要はないでしょう。

ビージーズらが奏でるテンポのいい、おしゃれでディスコティックな音楽と共に、同様にアレンジされた運命と禿山の一夜。アレンジがとてもすばらしいです。なんとノリのいい曲なんでしょうか。どちらも原曲はもっと激しさもありますし、禿山の一夜などはおどろおどろしさすらあります。

それが、完全にディスコミュージックとして不自然ではありません。それでいて、原曲の雰囲気がきちんと出ています。どちらも、オケの弦が入り、それがほとんど原曲のままであるということも影響しているのだと思います。

運命’76は、第一主題をほぼ手を加えることなくディスコミュージックとして展開させて、一つの別な曲に完成させています。この曲はおそらく皆さんどこかで聞いたことがあるのではないかという気がします。私もはじめは「え?運命って使われていたっけ?」と思っていましたが、聴いて「あ〜、あれか〜」と納得しました。

禿山の一夜’77もほぼ同様のアレンジで、こちらもあのおどろおどろしい第一主題を使って、一つのディスコミュージックとして完結させています。あのおどろおどろしい主題にはほとんど手が加えらていないのに、通奏低音部がディスコになるだけでこんなにも違う音楽になるのか!と目からうろこです。

全体的にも、聴いていますとメロディとリズムのバランスがいい曲ばかりなのですね。プロデューサーや作曲家の手腕の高さを感じます。モーツァルトから綿々と受け継がれている和声がここに確かに存在します。この映画の曲って、こんなにもすばらしかったのか・・・・・と、再認識させられました。

私は前から、このCDに収録されている曲は結構知っていて、好みの曲だったのですが、あらためて聴いてみますと、本当にいい曲ばかりだなあと思いました。特に、曲の構造に目を向けたときに、これだけすばらしかったかと、目を見張りました。

アメリカ音楽となると、特にクラシックでは有名な曲は少ないですし、また名曲といわれる曲も少数です。しかし、それ以外のジャンルに目を向けてみると、ジャズもそうですがこういったディスコも本当にすばらしい曲ばかりです。考えて見ますと、私はそういう曲を素直に聴いてきた少年だったなあと思います。それが未だに「音楽に国境はない」という意識につながっているように思います。

第1曲目の「ステイン・アライヴ」(ビージーズ)なんて、なんておしゃれでバランスの取れた曲なのだろうと、ノリノリで聴くだけでなく、感動してしまいます。

クラシックが収録されているということだけでなく、それ以外の曲も本当に楽しめる一枚です。


聴いているCD
サタデー・ナイト・フィーバー」オリジナル・サウンドトラック
(POCP-2407)