かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

今日の一枚:ブルックナー 交響曲第7番

さて、いつ終わるのかわからない今回の「今日の一枚」シリーズ、今日はブルックナー交響曲第7番です。

指揮はロブロ・フォン・マタチッチ、オケはチェコフィルというしぶーい組み合わせ。マタチッチといえば、N響との名演が有名ですね。ドイツ物は大の得意。

7番は、ワーグナーを偲ぶ曲です。詳しくはウィキペディアの以下のページを参照してください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BA%A4%E9%9F%BF%E6%9B%B2%E7%AC%AC7%E7%95%AA_(%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%8A%E3%83%BC)

作曲中からワーグナーの死を予感して進められ、第2楽章を書いている途中で、訃報に接します。そのため、第1楽章から第2楽章にかけてはやや暗めの曲になっています。ブルックナー独特の光がさすような明るさは潜め、むしろたそがれてゆくような曲想に聴こえます。

そういう意味では、金管があまり活躍する機会がないという側面もあります。弦のチェコフィルとしましては、待ってました!という曲ですが・・・・・

それでも、金管が活躍しないというわけではありませんから、しっかりとそういう場面はあります。チェコフィル金管もこれがまたすばらしい!スメタナの「モルダウ」では、美しいホルンが見事ですし、弦だけではありません。全体的なバランスもすばらしいです。

弦の美しさはもう天上にいるかのよう。そこに、金管がそっと入ってくる・・・・・もう、たまりません。

この曲は、こんなにも美しかったのか・・・・・

というのも、マイミクさんからの紹介で、シノーポリ/シュターツカペレ・ドレスデンですでに持っていたからです。それだけでは、この曲の魅力がわからなかったという感じです。それもすばらしい演奏なのですが、このチェコフィルを聴いてしまいますと、それがかすんでしまいます。

いや、その演奏を今もう一度聴けば、恐らく新たな発見の連続になることでしょう。これがクラシックの楽しみです。

7番も第1楽章と第2楽章は長く、初心者としましては聴くだけで疲れてしまうのは事実です。ですので、いろんな演奏を聴いて、きっかけをつかむ必要があるように思います。おそらく、私も始めの演奏ではその魅力がよくわからなかったのだと思います。それでも、耳に残っていたからこそ、こうやって今チェコフィルの演奏で感動しているのですし、シノーポリの表現もすばらしかったという証明になっています。

マタチッチがそれほど奇をてらうような表現をしないということもありますが、ワーグナーに対するブルックナーの思いが良く伝わってきます。ただ、それゆえに私としては6番以上にワーグナーを感じてしまいます。ブルックナーの音楽ではあるんですが、そこかしこにワーグナーの影が見える、そんな曲です。そういう意味では、5番あたりと比べますとだいぶ表現が変わってきているように思います。

とにかく、ブルックナーワーグナーが大好きだったんですね、というのがよくわかる曲です。

でも、もしあなたが他の初心者にブルックナー交響曲を勧めるとすれば、まず何番を勧めますかと言われれば・・・・・

まず間違いなく、この7番ははずすでしょうね。構成が壮大すぎて、恐らく初心者は聴くに堪えないと思います。まずは、ロマンティックあたりがちょうどいいように思います。私も、そうでしたので・・・・・

その後、番号順にできれば00番から聴いて行く。それが一番、ブルックナーを理解しやすいように、ここまで聴いてきて思います。


聴いているCD
アントン・ブルックナー作曲
交響曲第7番ホ長調
ロブロ・フォン・マタチッチ指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(DENON SUPRAPHON 32C37-7419)