かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:天満敦子 望郷のバラード

東京の図書館から、今回は府中市立図書館のライブラリである、天満敦子のアルバム「望郷のバラード」を取り上げます。

「望郷のバラード」はルーマニアの作曲家ポルムベスクが作曲した作品です。なのでそんなルーマニア色に彩られていると思いきや、実はソナタ集というのが実際です。

ただ、ポルムベスクはウィーンにも住んだ人なので、ヨーロッパの「ソナタ」の歴史の上にいる作曲家であることは間違いありません。ヨーロッパで天満さんが感じたことを演奏という形で表現しているのがこのアルバムかなと私は思っています。

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実際、このアルバムはヨーロッパの音楽史ソナタで俯瞰するような構成になっています。今回も最後に収録曲を挙げておきますので確認していただきたいのですが、ヘンデルから始まり最後がポルムベスクとなっているのは、天満さんのヨーロッパ音楽に感じた想いではないかなと思います。だからこそ最後が「望郷のバラード」ではないか、と。

つまり、ヨーロッパで感じたことを日本で「ヨーロッパでの望郷の想い」という形でアルバムにしたのがこれである、ということだと感じています。そのためポルムベスクの「望郷のバラード」をタイトルとしたのだろうと想像しています。

ステディなヘンデルから、ポルタメント全開のポルムベスクまで、天満さんの能力を最大に発揮した演奏と、サポートする本多女史の朴訥かつ情熱的なピアノで表現され、まさにヨーロッパ音楽をヴァイオリンとピアノで表しているアルバムだと言えるでしょう。そしてそこには、人間の内面がしっかりと表現もされているので、聴いていて自分の心の琴線が触れているのに気が付きます。

その視点からすると、最後の「望郷のバラード」でポルタメント全開なのかが、自然と浮かび上がってきます。思いのたけがそこに凝縮されている・・・・・宮前フィルがなぜ天満さんをソリストとして選んだのか、わかる気がします。

 


聴いている音源
天満敦子 望郷のバラード
オルグ・フリードリッヒ・ヘンデル作曲
ヴァイオリン・ソナタ第4番ニ長調作品1-13
アルカンジェロ・コレルリ作曲(ダヴィード、エネスコ編曲)
フォリー・ディスパーニュ(ラ・フォリア)
G.プアニーニ作曲
ラルゴ・エスプレッシーヴォ
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
メヌエット ト長調
F.J.ゴセック作曲
ガヴォット
オルグ・フリードリッヒ・ヘンデル作曲
ヴァイオリン・ソナタ第6番ホ長調作品1-15
ラルゴ
ヨハネス・ブラームス作曲
ハンガリア舞曲
第17番(クライスラー編)
第2番(ヨアヒム編)
第1番(ヨアヒム編)
F.クライスラー作曲
ベートーヴェンの主題によるロンディーノ
サラサーテ作曲
アンダルシアのロマンス
ポルムベスク作曲
望郷のバラード
天満敦子(ヴァイオリン)
本多昌子(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方、そして新型コロナウイルス蔓延の最前線にいらっしゃる医療関係者全ての方に、感謝申し上げます。