かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~小金井市立図書館~:マゼールとウィーン・フィルのマーラー交響曲全集6

東京の図書館から、シリーズで取り上げています、小金井市立図書館の、マゼール指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団によるマーラー交響曲全集、今回はその第6集をとりあげます。

番号順に来ているこの全集、第6集ということは第6番ということになります。この第6集は2枚組。それなりに第6番が長いのでそうなっています。

「悲劇的」という標題がついている割には、演奏しているウィーン・フィルからは、少なくとも第1楽章に関しては絶望感は見受けられません。むしろ演奏する喜びがにじみ出るような、生命力あふれるものになっています。

むしろ、第3楽章の「諦観」ぶりのほうが私にとっては強い印象を残しています。そして第4楽章の決して絶望していない、遠い先に光が見えるような音楽。そしてその音楽を、喜びを持って演奏するウィーン・フィル

第6番の標題が、如何に端的であり、実際にはもっと複雑であるということを、演奏で示しているのは素晴らしいと思います。こういう点がさすがウィーン・フィルだと言えるのではないでしょうか。

確かに、ウィーン・フィルは素晴らしいオケです。ではどこか素晴らしいのかと説明できる人は少ないのではないでしょうか?特に、ウィーン・フィルはほかのオーケストラとは違うという説明がよくあるのですが、ではほぼ一流がそろうヨーロッパのオケで、ウィーン・フィルが頭一つ突き抜けているというのはどういう点か?ということを説明できる人は少ないでしょう。

私に言わせれば、ひとつにはサウンド、つまり響きです。その絶妙なまでの豊潤さ!今年の来日時、ソーシャル・ディスタンスに否定的だったのにはそのサウンドを守りたいという点がありました。そしてもう一つが、微妙な表現力、です。特に自分たちにゆかりがある、マーラーブラームス、です。

歌うオケはヨーロッパならいくらでもあります。しかし、その歌い方となると千差万別。その中で、朗々かつ繊細に歌うのが、ウィーン・フィルだと言えるでしょう。マゼールはそういったウィーン・フィルの特質を良く踏まえて、適切なタクトを振っているように思います。もちろん、オケの団員がこっそり指揮者と違うことをやっているという点もあるかもですが・・・・・・ウィーン・フィルならあるあるですからね~。

とにかく、豊潤かつ歌うこの演奏は、マーラー交響曲の本質を突いたものであろうと思います。そもそもマーラーとは、歌曲で有名な人でしたから・・・・・

 


聴いている音源
グスタフ・マーラー作曲
交響曲第6番イ短調「悲劇的」
ロリン・マゼール指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

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