かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

神奈川県立図書館所蔵CD:R.シュトラウス 管弦楽作品全集8

神奈川県立図書館所蔵CDのコーナー、リヒャルト・シュトラウス管弦楽作品全集をとりあげていますが、今回はその第8集を取り上げます。

この第8集に収録されているのは、交響的幻想曲「イタリアより」と交響詩マクベス」の二つ。ともに若いころの作品であり、そして「マクベス」はシュトラウス最初の交響詩でもあります。

まず「イタリアより」。多分にそれ以前の作曲家たちの奇想曲などに(例えば、チャイコフスキー)の影響を受けた作品だと思います。4楽章という交響曲的な形をとりつつも、幻想曲という形に仕上げ、イタリアらしさを4つの側面から描いた作品です。

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おそらく、時代的には民謡採集運動の影響も受けているとは思いますが、その民謡だと思っていたのがそうではないという・・・・・それは、第4楽章で使われているフニクリ・フニクラです。これを聴いたときに私びっくりしました!え?なんでこれシュトラウス使っているの?と。これ、この時代なら当然著作権侵害で訴えられるよねwwwwと。もちろん、訴えられシュトラウスは負けているのは上記ウィキを参照していただければと思います。

ま、結局その施設は今はないようですけどね・・・・・・

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これ、たとえばです、今小田急ロマンスカーでCMミュージックがチャイム代わりに流されていますけれど、あれはロマンスカーと箱根登山電鉄を象徴するものでもあります。フニクリ・フニクラとはそれと同じであり、あのロマンスカーの音楽を無断で使ってクラシック音楽作品を書いちゃいました!っていうのと同じですから。ですから負けて当然なのですが、しかし、そのシュトラウスの音楽はさすがまとまっていて劇的で、わくわくします。ということは、宣伝効果絶大だったということにもなるんですねえこれがwwwwww

しかし、そのヴェスヴィオ火山の登山電車は、1944年の噴火で破壊され、その後ケーブルカーで復活しますが、モータリゼーションの流れには逆らえず、結局はそのケーブルカーも廃止になります。

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折角ですからシュトラウスのこの「イタリアより」をどんどん演奏すればよかったのにねえって思うんですよ、トマス・クック社やその後継も。フニクリ・フニクラだけではなくシュトラウスの作品も出れば、むしろアジア、特に日本からはものすごい観光客が訪れたものをと思うんですよねえ。そうすれば、自分たちに印税が入るだけではなく、シュトラウス家にも入るわけですからねえ。winwinだったはずですが・・・・・変に戦ってしまったことから、共倒れしたという気もしないわけではありませんwwwwww

続く「マクベス」。さすがシュトラウスらしい壮大さと音の重厚さ!それが織りなす豊潤なサウンド!ザッツ・後期ロマン派という作品です。

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そんな作品たちを、ケンペとシュターツカペレ・ドレスデンはこれまたいいテンポで演奏するんです。そういうときはこれらの作品に愛着をこめているときだと、ここまで聴いていて判断できます。マクベスの後期ロマン派らしい壮大さ、そして「イタリアから」の著作権を侵害しつつも、思わずやってしまったシュトラウスがお茶目にウィンクしているのを楽しんでいるかのよう。作曲者に対する共感がそこかしこに転がっている演奏です。いいなあ、こういう仲間意識。それが素晴らしい演奏へとつながっているんですから、またたまりません。

録音もいいのが毎度ですが素晴らしい!昨年来使っているソニーハイレゾスピーカーSRS-HG10で聴きますと、艶があるんです。もともとはCDだったなんて信じられないくらいのクオリティ。これが真にハイレゾで少なくとも96kHz/24bitだったら、もっといい音で鳴るだろうなと、多少の残念さもありますが、このアルバムたちがこれからも色あせることはないだろうと思います。

 


聴いている音源
リヒャルト・シュトラウス作曲
交響的幻想曲「イタリアより」作品16
交響詩マクベス」作品23
ルドルフ・ケンぺ指揮
シュターツカペレ・ドレスデン

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。