かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

東京の図書館から~府中市立図書館~:アラウが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集2

東京の図書館から、府中市立図書館のライブラリをご紹介しています。11回にわたりまして取り上げるアラウが弾くベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集の、第2集です。

この第2集には第3番と第4番が収録されているので、ほぼ番号順での収録ということになるのですが、録音年代の関係で番号は前後するようです。

とはいえ、この第2集でもアラウの「歌」は健在です。そのうえで、第3番では流れるようなパッセージもあり、作品の特質をとらえながらも自分の歌を歌うアラウには、もう敬服するほかないって感じです。

本来、第3番は第1集に収録されている第1番と第2番とおなじ作品番号が振られています(作品2)が、ベートーヴェンの個性というものが発揮されているこれらの作品は、こんな若い番号の作品でも、独立して演奏しても何ら違和感がないってことを、アラウは自分の「歌」で証明しているんですね。これぞ巨匠たるゆえんだと思います。

第4番は作品7で、枝番がないのでこの1曲のみに作品7が振られていますが、アラウのピアノで聴いてみると、第3番も第4番もそれぞれが印象的で、個性が際立つのがわかります。こういった演奏を聴くことも、クラシック音楽を聴く醍醐味だあなあとおもいます。

もちろん、新しい作品を聴くのも私は大好きです。現代音楽で私が今まで気づかなった点が気付けるのは本当に幸せなんですが、その一方で、古典派の作品で新たな視点をもらえるのもまた楽しいことです。アラウのピアノは常に驚きと感銘にあふれています。ただ単に弾いているだけなのに!

アラウなんて当たり前のピアニストでしょ?という向きもあるかもしれません。しかし意外にも、日本の音楽教育だとほとんどが管弦楽作品しか音楽鑑賞の時間で聴かせないものですから、どうしても管弦楽、特に後期ロマン派へと傾倒している傾向がありますが、どうしてどうして、古典派のピアノ作品、そしてその演奏も素晴らしいものです。音楽の時間でもっとピアノ曲の魅力に触れていれば、私の人生も変ったろうになあと思います。多分もっと豊かで、恋人の一人や二人だっていたろうになあと思います・・・・・マヂで。

どうしても、大規模管弦楽作品って、女性は遠ざける部分ってあるんですよね。けれどもそれがわからずに、こっちは管弦楽一押しで突っ走る。相いれないのは当たり前なのに、全然今まで気づかないんです。でも、アラウのような演奏にでありようやく気付くなんて遅すぎですが、まあ、これが私の「その時」なんでしょう。

さて、このわたしのアラウ体験が「その時、歴史は動いた」となるのか、それとも違うのか・・・・・それは、私に課せられた一つの課題かもしれません。そう思いつつ、さらに次回以降を執筆したいと思います。

 

さて、次回第3集を取り上げるのは新年となりました。このエントリが本年最後のエントリとなります。本年もこのブログをご愛顧いただき、誠にありがとうございました!また来年もごひいきの程、よろしくお願いいたします!

 


聴いている音源
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲
ピアノ・ソナタ第3番ハ長調作品2-3
ピアノ・ソナタ第4番変ホ長調作品7
クラウディオ・アラウ(ピアノ)

地震および津波、水害により被害にあわれた方へお見舞い申し上げますとともに、亡くなられた方のご冥福と復興をお祈りいたします。同時に救助及び原発の被害を食い止めようと必死になられているすべての方に、感謝申し上げます。