「今日の一枚」、ここしばらく友人から買いましたCDを取上げておりますが、その中のダイソーCDシリーズもようやく出口近くまで来ました。今日はチャイコフスキーを取上げます。
収録されている曲は、交響曲第6番「悲愴」。まず、音のよさに驚きます。勿論モノラルなのですが、まるでステレオかと見まごうような音です。
しかし、驚くのは音だけではありません。勿論、音楽もです。今までのはいわゆるカラヤンらしからぬ部分が多少あったわけですが、この悲愴は第1楽章からカラヤン風連発です。
中間部の激しい部分、かなりテンポが速いです。ウィーン・フィルが珍しくアンサンブルがあっていません。特に、弦。指揮者についていっていないのです。それがオケの反乱なのか、それとももう本当にカラヤンの指揮が速くてついてゆけないのかわかりませんが・・・・・
しかし、それがまたとてもすばらしい、慟哭の様子を表しています。やはり、どんな状態でも高いレヴェルをたたき出してきますね、ウィーン・フィルは。
崩壊寸前で踏みとどまり、次の主題再現部でふたたびゆっくりになるところではたと気がついたように弦がそろいます。
このあたりに、やはりヨーロッパのオケの地力を感じます。それが、モノラルでありながらすばらしい演奏へと昇華しています。
いやあ、これで100円・・・・・
ダイソーでは当然、社内でどういうCDを出すのか検討しているはずですが、どこから版権を得たのか知りませんが、とてもいい判断をされています。聴いた全ての演奏で得るものばかり。モノラルは本当にコアなクラシック・ファンしか買わないのに、よく100円均一という市場でこの内容を持って来たなと思います。
100円均一はやはり、庶民が買いますから。まず、クラシックファンは足を運びません。そんなところにこれほどの名盤が埋もれていようとは・・・・・
私自身、恥ずかしいと自分自身を責めています。内容的にたいしたことないだろうと思っていましたから・・・・・
反省です。
他の楽章は比較的アンサンブルがよく、テンポもいいです。これは本当にカラヤンらしい演奏だなあと思います。
聴いているCD
クラシック音楽8「若き日のカラヤン」
チャイコフスキー
ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(ダイソー ザ・CD CD-8)