昨日、県立図書館で予約していたベートーヴェンの弦四(ラズモフスキー、ハープ)を借りたのですが、同時に探していたドヴォルザークの交響曲第5番を借りることができました。
この曲は、3年ほど前、mixiでドヴォルザークが鉄っちゃんであるという日記を書いたときに、友人から教えてもらった曲なのです。
ドヴォルザークが鉄道好きであるのは有名な話で、アメリカ時代、よく駅に見に行ったり、弟子にプレートナンバーを控えさせたり(この行為で、もうかなりの「鉄」ですが)、その「鉄」ぶりは私とさほど変わりません。
実は、そういう意識で聴いてみると、「おや?」と思うフレーズがたくさんあるのです。
たとえば、第9番「新世界より」では、ホルンが汽笛の役割を果たしていますし、ヴァイオリンはボイラーや車輪の音ですし、レールのつなぎ目を拾う音(いわゆる、「がたんごとん」、です)はヴィオラや管楽器で表現しています。
その傾向は既に8番で出ていまして、特にホルンやトランペットが汽笛の音を表現しています。
で、5番なのですが・・・・・
ちょっと、薄いかなと思いますが、はっきり聞き取れるのは、汽笛と、発車するときの情景。これは8番と新世界よりとすでに共通しています。いずれも、第1楽章冒頭にはっきりと表現されています。
そのほかは、ボヘミアの情景という感じのほうが強いのですが、それは8番でも同じなので、そういう意味では既に後期の作風が出ていると考えていいのではないでしょうか。
実際、この曲の作品番号は76ですが、それは6番や7番より遅いのです。しかし、作曲されたのは間違いなく6番や7番より前。ドヴォルザークは若い作品番号を指定したのですが、出版社の都合で遅くされてしまったとういわくつきです。しかし、私としてはあまりそういうことを感じないのです。まだ6番と7番を聞いていないせいなのかもしれませんが、そんな感じはまったくなく、8番当たりに引けをとりません。
結果オーライ、ということでしょうか。ま、ドヴォルザークはそれで「発車オーライ!」としてしまったのですから。
カップリングの「我が家」も、同じように鉄道が走っている情景がありありと目に浮かびます。
こうなると、単に私の思い込みではないような気もしてきます。ただ、資料がないんですね・・・・・・
ですので、推測に過ぎないのですが、私はかなり確信をもちました。
ドヴォルザークは作曲のモティーフに鉄道を使っている、と。