かんちゃん 音楽のある日常

yaplogから移ってきました。日々音楽を聴いて思うことを書き綴っていきます。音楽評論、想い、商品としての音源、コンサート評、などなど。

マイ・コレクション:ノイマンとチェコフィルの「ドヴォ8・ドヴォ4」

今回のマイ・コレは、ノイマン指揮、チェコ・フィルのドヴォルザーク交響曲第8番と第4番です。

このCDを買ったのは、社会人になって4年目くらいだったと思います。当時所属していた企業年金厚生年金基金)の事務局の部屋に、別の子会社の方がデスクを構えていました。実はその方、大のクラシックファンだったのです!すぐに意気投合しました。周りは変な目で見ていましたね〜。なんといってもその時に私が務めていた会社は、社員のほとんどが演歌が好きっていう職場で、若い人は逆にいまどきの曲しか知らない。クラシックが好きなんて、社長くらいです。もちろん、平の私が社長と話せるはずもなく、一人通勤で黙々とクラシックを聴く毎日。そんなところへ、いわば同じ部署ともいえるような距離に、クラシックファンがいたのです。その人から勧められて買ったのが、このCDです。

ドヴォルザーク交響曲で好きな曲は?という話になって、私はあまり彼の作品は聴いていないんですよ、何かお勧めはありませんか、「新世界より」なら聴いたことがあるんですがと言いましたらすかさず「ドヴォルザークなら9番ではなく8番だよ。8番ならノイマン/チェコ・フィルだね」って即答でした。

ノイマンの指揮なら、N響との「新世界より」は聴いていました。確かに、彼の指揮は端整なものを要求するもの。それはいいですねえ、実は私はデジタル録音にこだわっている(当時は、です)のですが、逸れでしたらいかがでしょうかと尋ねましたら、彼らは2度デジタル録音で出しているっていうじゃありませんか!しかも、彼が言うにはその1回目のほうがよい、ということなのです。

ノイマンチェコ・フィルは、ドヴォルザーク交響曲全集を何度か録音していますが、しかしこれを買った時には全集は確かこの録音がなされた80年代のものしかなかったように記憶しています。しかしながら、8番はその方がおっしゃっる通り、二つデジタル録音で店頭に並んでいました。

この演奏は当時デンオンベスト70のなかにあった廉価盤で、すなわち私は値段を重視した結果、その方がおっしゃったものを購入することになったのです。後日、確認してみたら「ベストチョイス!」と言っていただきました。

さて、この演奏はこのブログでも幾度か参考にしています。とくにナクソスの演奏を取り上げた時(今日の一枚:ドヴォルザーク 交響曲第4番・第8番http://yaplog.jp/yk6974/archive/159)に聴き比べの形で触れています。基本的にその時と印象は変わりません。彼らの演奏は単なるボヘミアの風景ではありません。鉄道写真です。

まず、第8番ですが、いろいろ演奏を買いましたが、いまだにこの演奏をしのぐものに出会えていません。並び立つかな〜っていうのがスウィトナー/シュターツカペ・ベルリンくらい。セル/クリ―ヴランドをまだ聴いていないのでそれが唯一可能性があるような気がします。それくらい、インパクトのある演奏です。特にすばらしいのは、その疾走感です。

第1楽章冒頭はゆったりと前奏が始まりますが、第1主題が提示されてからはテンポアップ!それでいてアンサンブルも秀逸です。チェコ・フィルはアンサンブルが・・・・・という意見もありますが、確かにそのような演奏も有るようですし、私も出会ったことがあります。しかしそれは指揮者の力量にも左右されるので、果たしてそれはオケが原因なのかそれとも指揮者か、はたまた両方かは、慎重に判断する必要があると私は思っています。一概に言えないんですよね、本当に。人間がするものですから・・・・・

兎に角、疾走してゆく第1楽章。それが去った後ののんびりとした第2楽章。憂いを湛える第3楽章。そして再び疾走する第4楽章。そのどこにも鉄道の存在を感じます。金管の鳴らし方が「鉄」でありSL好きの私からしますと、金管は汽笛ですし、他のパートはレールのつなぎ目であったり、車輪だったり、SLのアームだったり、車両の軋みだったりするのです。楽章によってはそれが一転、単なる風景画にもなる。まるで秘境駅に降り立った感覚です。

そう、日本で言えば、JRの呼び方からすれば「地方幹線」です。たとえば、釧網本線とか・・・・・冬の雪深い感じではなく、夏の燃えるような緑に包まれる沿線の姿です。それをオーケストラ全パートで表現したもの、それがこの演奏です。

いっぽうの第4番。もともと1874年のコンクールに提出する目的で作曲されたこの曲も、私からしますととても鉄道の存在を感じざるを得ません。特に第4楽章の繰り返しのリズムは鉄道ファンならだれでも「これは、レールのつなぎ目を拾う音でしょ〜」って感じるのではないかと思います。第4楽章はそれがソナタ形式の中で展開されてゆくわけで、そのことからしても、以前から述べていますように、ドヴォルザークには「鉄」を感じるということなのです。鉄道ファンがいう「鉄分」、つまり鉄道趣味を必要とする欲求ですが、それをまざまざと感じる曲ですが、このCDではそれがストレートに表現するために、これもテンポを速めにしています。

実は、最近県立図書館からドヴォルザーク全集から交響曲全曲を借りてきたのですが、それはどうやらもう一つのほうであるらしく、第8番第4番ともにテンポは若干遅めで、がっちりと曲を構築するというアプローチ。しかし、私はこのCDの演奏に生き生きとしたものを感じるのです。メリハリもきいていますし、さらにアンサンブルも秀逸です。これは図書館の全集よりも断然素晴らしいです。このケースは久しぶりでした。

こんなにも「鉄分」たっぷりのこの演奏。特に、鉄道ファンの方にはお勧めです。「鉄」の方なら、私が言っていることが演奏を聴くだけで理解していただけるでしょう。



聴いているCD
アントニン・ドヴォルザーク作曲
交響曲第8番ト長調作品88 B.163
交響曲第4番ニ短調作品13 B.41
ヴァーツラフ・ノイマン指揮
チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
(デンオン COCO-75508)



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