音楽雑記帳のコーナー、今回はハイレゾ配信サイトQobuzを使ってみた、というタイトルでお届けします。
「今月のお買いもの」コーナーですっかりおなじみだったハイレゾ配信サイトであるe-onkyo musicは、2024年10月16日に終了し、Qobuzに統合され、2024年10月23日にプレオープン、翌24日に正式オープンしました。
さて、プレオープンなどは取り上げてましたが、実際に使ってみたというエントリは立てていませんでしたので、今回使ってみたエントリを立てた次第です。さて、使い勝手は?
1.日本語検索がしにくい
1億曲以上のラインナップという触れ込みですが、あくまでもそれは他のジャンルも加えた数字です。クラシックに限定しますと、目につくのは海外レーベルです。特に海外レーベルの現地盤が目立ちます。新譜にしても、国内盤を見かけることはほとんどありません。
以前から私が追いかけております、飯森範親指揮日本センチュリー交響楽団のハイドン・マラソンですが、これを日本語検索しますとヒットしません。ローマ字で検索しますと飯森さんが日本語で表記されるという面倒くささ。もともとQobuzはフランスのサイトなのでしょうがない部分ではあると思いますが、この辺りはできればローカライズしていただけると嬉しいなあと思います。なお、ハイドン・マラソンの音源はvol.23まではありますがvol.24以降はまだラインナップにありません。vol.25はつい最近なので仕方ないにせよ、vol.24はCD販売からそろそろ4か月近くが経ちますのでこの辺りは反映させてほしいところです。なお、ソニーのmoraでもラインナップを確認できませんので、各配信サービスとの話し合いが進んでいないのかもしれません。その意味では、ある意味日本がまだハイレゾ音源に乗り遅れておりCD及び非可逆圧縮(AACやmp3など)が優勢なのだなあと感じます。
2.ダウンロードされるとアーティスト名が反映されない
まず、以前も触れましたモーツァルトのレクイエム、オシュトリーガ版の演奏である、フローリアン・ヘルガート指揮コンチェルト・ケルン他の音源を購入しダウンロードしてみました(それについては別途エントリを立てます)。すると、まずフォルダが確認できません。どこだ?と探しましたがすぐには見つからず。QobuzのダウンローダーにはPC内のどこに格納されたかが見えますのでそれで調べましたら、しっかりミュージックフォルダにダウンロードされていると表記。確かにありましたが、何と!e-onkyoだと専用フォルダが作られていたのですが、Qobuzだとそれがなく演奏者名でフォルダが作られています。それが例えばこのオシュトリーガ版の音源であればフローリアン・ヘルガートという表記があればまだわかりやすいのですが、複数演奏者がいるというだけでVarious Artistsと表記されています。いやあ、これはないよ!と思います。せめてもう少しなんとかならないのかって思います。非常にわかりにくい・・・ストリーミングサービスは加入していないので何とも言えませんが、これ、ストリーミングでも同じだと混乱すると思います。ストリーミングだと大丈夫だとは思いますが・・・
ファイルを調べてみますと、mp3tagアプリ(ファイルのタグを編集できるアプリ。演奏者などのタグが固定されており編集できないファイルも存在するため)を使わなくてもタグの編集ができるみたいなので、ダウンロード後はわかりやすくできるのでしょうが、せっかくダウンロードしたのですから、分かりやすい表記にしてほしいなあと思います。おそらくどの再生アプリであっても演奏者はvarious Artistsと表記されるはずです。タグがその表記になっているからです。私などはダウンロード後のローカルの保存場所が外付けHDDなのですが、どの音源も同じように表記されるのだと、正直various Artistsフォルダになんでも突っ込むことになって後からの検索がしづらいので、できれば最初から演奏者名を表記してほしいと思います。この辺りは一度コピーを作って編集できるか試してから、あとから編集できるのであればその方法を取りたいと思います。とりあえずCDと同じアートワークはダウンロードされるのでそれでこの演奏者はわかるのですが、ちょっと不便かなと思います。
3.ダウンローダーでダウンロードできるファイルの種類が選択できる
モーツァルトのレクイエム、オシュトリーガ版は今回flac96kHz/24bitを選択してダウンロードしましたが、実はそれを購入し選択するだけでなく、flacを購入したにも関わらず、ダウンロードの段階で他の種類を選択できる機能がついています。便利と言えば便利なのですが、なぜこの機能がついているか理解できません。圧縮なら今はフリーウェアもある時代です。たぶん便利だと感じるときは、DSDしか音源がないという時だけだと個人的には思います。たいてい、PCで聴く場合DSDに対応していることは少ないので。DSDを選択しつつダウンロード時にflacを選択してダウンローダーで変換してくれるのであれば便利です。ただ、私としてはそれ以外で助かる場面はないですね。おそらく、DSDからflacへの変換もフリーウェアで出来るはずなので、そもそもそんな機能はいらないと思います。この辺りは正直e-onkyo musicのほうが便利だったと思います。むしろそんな機能がついていますとダウンロード時にわかりにくくどれをクリックすればダウンロードが始まるのかがわかりにくいので。本当に音楽を売りたいんですか?文化を華開かせたいのですかと思います。おそらくですが、日本でローカライズする時、まだ日本ではハイレゾの認知が進んでおらず、CD音質やmp3などの非可逆圧縮が好まれているという点を考慮したのかもと思います。ダウンローダーで変換できればアプリを持つ必要もないですしさらにラインナップもとりあえずCD音質とハイレゾだけ備えて置いてDL時に選択してもらえばコストが安いということもあるのだと思います。日本ではmoraが結構シェアを持っており他の海外サイトも国内で使っている人も多いためです。ですが私としては、普通に選択したファイルでDLして必要があれば自分で変換するでいいと思っています。正直、flacのPCでもスマホでもドラッグアンドドロップするだけで聴けるのは魅力でWAVを自分で圧縮してmp3にしなくてもよい分非常に楽で使いやすいです。これに慣れてしまうと音質的にもmp3に戻るということはあり得ません。
せっかくいろいろ興味深い音源も存在するQobuzなのですが、一方でいろいろ不便な部分もあって、クラシックファンが安心して買えるサービスなのかは、現段階では何とも言えないところです。今後の改善を楽しみにしていたいとは思いますが、これは他のブログなどでも指摘されていますが、1年待たされてこの程度なの?という印象はぬぐえません。確かにストリーミングで聴きながらダウンロードもできるというのは便利ですが、その程度なのかと印象もあります。改善に改善を重ねて、Qobuzを選択して良かったと思われるようにしていただきたいと思います。
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